藤本和子『イリノイ遠景近景』

晴。
ここ数日、睡眠が汚い領域を掘っている。何これ、と思う。何か現在と関係しているのは確かなのだが。
 
大垣。
ミスタードーナツ大垣ショップ。エビグラタンパイ+ブレンドコーヒー404円。藤本和子さんの『イリノイ遠景近景』の続き。「ベルリン記」を読む。ブローティガンの名訳者にしては、意外と鬱屈したベルリン滞在記だ。こういう側面もある書き手なのだな。東西統一後、意気の上がらない旧東ドイツ。著者は長谷川四郎さんをよく読んでおられるらしく、長谷川さんのベルリン滞在記が何箇所かで言及される。フンボルト大学の学生食堂の話とか、シナゴーグの話とか。

 
昼から珈琲工房ひぐち北一色店。今日三杯目のコーヒー。コーヒーチケットを買う。
藤本和子イリノイ遠景近景』読了。最後の「冬のニューメキシコ」がとりわけ印象的だった。先住アメリカ人(ネイティブ・アメリカン)の「芸術家」たちに話を聞きに行くもの。著者は敢て「インディアン」の語を使っておられる。彼ら彼女らはまだ何とか「たましい」を失わないでいられているが、仲間にはアルコール中毒でやられてしまう人があまりにも多いという話。現代文明に「毒されて」、生命力が涸渇してしまうかのように。差別し、搾取するアメリカ人。これはまさしく我々のことだと、ネイティブ・アメリカンたちの話を読みながら、わたしは勝手に思う。資本主義の、増殖する価値。しかし、「たましい」は、増えもしなければ、減りもしない、それがまさに「冷たい社会」だ。現代において「たましい」をいかに涵養するか、それが人間らしく生きるということであるが、わたしもまた試行錯誤している、敗北を余儀なくされている、ような気もするが。我々の大地は既にほとんど死んでいる。現代人たる我々は、綯い交ぜになった欲望を満たすだけで、何とか生きていけるようなものだ。何たる貧しさ!
 
藤本和子さんの『ブルースだってただの唄』をネット注文する。
 
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ウチの秋明菊シュウメイギク)。
 
 
日没前、散歩。








 
 
柄谷行人『力と交換様式』を読み始める。
 
 
夜。
中二病でも恋がしたい!」(2012)第12話(最終話)まで観る。まさかこんなシリアスで切ない終わりだとは。六花の中二病は偶然じゃなかったのね。こういっちゃあ何だけど、予想よりずっといい作品だった。他のキャラクターも話が進むにつれ、どんどん生き生きと動き出す。特に丹生谷とか、いいねー笑。