鈴木大拙『華厳の研究』 / 高橋昌一郎『フォン・ノイマンの哲学』

雨。

NML で音楽を聴く。■イザイの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第三番 op.27-3 「バラード」、第四番 op.27-4 で、ヴァイオリンはルッジェーロ・リッチ(NML)。ルッジェーロ・リッチ、さすがって感じ。■ブリテンのヴァイオリンとピアノのための組曲 op.6 で、ヴァイオリンはマシュー・ジョーンズ、ピアノはアナベル・スウェイト(NMLCD)。■ブラームス交響曲第三番 op.90 で、指揮はロビン・ティチアーティ、スコットランド室内管弦楽団NMLCD)。きれいで(特に木管)あっさり目の演奏。こういうブラームスもありだな。■ガルッピのピアノ・ソナタ第三番 イ長調で、ピアノはフェルナンダ・ダミアーノ(NMLCD)。
 
昼、雨あがる。


シコンノボタンと木槿ムクゲ)。

また雨。
シュトックハウゼンの「ミヒャエル(ミカエル)の旅」 Work No.48 2/3 (NML)。初めて聴く曲なので、Wikipedia 程度からの情報を。上演に約28時間かかる大作オペラ「光」の、さらに「光から木曜日」からの抜粋である。この演奏でほぼ50分、全篇始終、中心は金管楽器であり、弱めの音で断片的な音片(ほとんどモチーフとすらわからない)をプカプカ奏している。オペラの一部だが、歌(?)あるいは発声(?)はほとんどなし。何かぼーっとしていたら50分経ったという感じ。もちろん、知識がある人はもっとちがった聴き方をするのだろう。CD には解説が付いているのかも知れないが、NML にはなし。

 
コメダ珈琲店各務原那加住吉店。たっぷりブレンドコーヒー530円。セーケイ・ユーリアの『バルトーク物語』を読み始める。まだ三分の一程度しか読んでいないが、ここまででも静かな文章で感動的。著者はバルトークの女弟子であるそうだ。先日見かけたバルトークについての小林秀雄のちょっとした言及が気になって、図書館で借りてみた。バルトークは、いわゆる神童だったのだな。まだ和声理論を学ぶ前に、既にその中身がわかっていて自由に使いこなせたらしい。

カルコス。ちくま学芸文庫など購入。この本屋には岩波文庫があるくらいで、田舎にしては奇跡的だ。これからも頑張って欲しいのだが、ほんといつまでもつだろうか。


鈴木大拙『華厳の研究』読了。この本はこれからも読むだろう。なお、安藤礼二氏の文庫解説における大拙理解、仏教理解にはかなり疑問を感ずる。安藤氏は、例えば「法界」が我々凡夫の中(?)でもいきいきと働いていることがわかっておられるのだろうか。ま、しかし、わたしのごとき未熟者のいうことではないな。

菩提心大乗仏教において欠くべからざる、すべての土台である。

…仏教の教えは一切衆生を抱きしめる温かい心の所産であって、存在の秘密を論理によってあばきいだそうとする冷ややかな知性の結晶ではない、仏教は、個々の人(にん)の経験であって、人を離れた哲学ではないということである。(p.272)

これがつまり菩提心のはたらきなのである。知的な人間には、この菩提心を涵養することがひどくむずかしい。

人間には因果の連鎖を止めることはできない。どんなに徳を積んだ高僧でも、いったん爆弾が破裂してしまったら、あたりがめちゃめちゃになることを止めることはできないのである。

夜。
高橋昌一郎フォン・ノイマンの哲学』読了。いまよく読まれている新書本。

 
何となく理系したくなり、大学数学の初歩的な問題を解いてみる。