桂利行『代数幾何入門』

晴。
図書館から借りてきた、桂利行『代数幾何入門』にざっと目を通す。まあ目を通したというだけ。

共立講座21世紀の数学 (17) 代数幾何入門

共立講座21世紀の数学 (17) 代数幾何入門

昼から仕事。
エミール・アルティンガロア理論入門』にざっと目を通す。この本に慣れようと思う。
小平先生の『解析入門』を拾い読みしていて、ふと「実数の連続性」の証明を追ってみたら、結構むずかしかった。まず有理数の切断(有理数は既知とされる) <A, A'> を考え、これを「実数」と定義する。こんな風に実数を定義するのである。ここで A, A' は有理数を二つに分割したもので、「r∈A, s∈A' ならば r < s」とされる。このとき、(事実としては必要ではないが)A に属する最大の有理数はないとされる。このとき A' の含む最小の有理数はあるかないかのいずれかで、「ある」とされれば実数 <A, A'> はその有理数に等しいとする。ここで実数の中身のようなものがようやく出てくるわけだ。また「ない」という場合は、<A, A'> を特に「無理数」と呼ぶ。
こんな具合である。これらから、同様に実数の切断 <B, B'> を考え、B に含まれる最大の実数があるか(このとき B' には最小の実数はない)、あるいは B' に含まれる最小の実数があるか(このとき B には最大の実数はない)のいずれかであることを導き出す。これが「実数の連続性」だというわけだ。
じつに巧妙な方法である。小平先生によると、デデキントの「切断」も、このようにまず有理数を使ったものらしい。岩波文庫デデキントが入っているので、そのうちきちんと読んでみよう。
なお、A に属する最大の有理数 a があるとすればどうなるか。このときは A' に最小の有理数が存在しないことになる。なぜなら A' に最小の有理数が存在するとすれば、それは(有理数の稠密性より) a に等しいと考えざるを得ず、A ∩ A' ≠∅ となってしまうから。これは実数の連続性の証明としては余分なので、必要ないということであろう。
ついでなので杉浦光夫『解析入門I』も見てみたら、実数の連続性は公理になっていて、証明されていなかった。
軽装版 解析入門〈1〉

軽装版 解析入門〈1〉

軽装版 解析入門〈2〉

軽装版 解析入門〈2〉