ヴァルター・ベンヤミン『パリ論/ボードレール論集成』

晴。
昨晩はベンヤミンを読んでいたら寝てしまった。どれだけでも眠れる。しょうもない夢を見るし。しかし、夢で場所はわかるのだが現実とまったくちがっているというのは、どういうわけなのだろう。ここは神田町通りだとわかるのに、店や雰囲気はまったくちがうという。
ラーメン「Nageyari」にて昼食。つけ麺300g 850円。美味しゅうございました。
ほー、安倍首相の支持率が高くなっているのか。「安保」以前に回復だそう。野党のやる気がないせいだろうという田中秀臣先生の考えは当っている気がする。僕は原理的にははっきりとした反安倍だが、一票を入れるべき野党がない。経済政策はすべて現政権を採るしかない。しかしこれは言いがかりで自分でもひどいと思うのだが、テレビで安倍首相を見ると、顔もしゃべりかたも気持ちが悪くて目を背けたくなる。僕の深層意識は安倍首相に何を感じているのか。ついでに云うと、民主党岡田代表は見ていると何か軽蔑を禁じ得ない。これも理由がよくわからない。とにかく、ニュース番組を見ると殺伐とした気分になる。それでも見るしかないのだが。
しかし、何でこうネガティブになっているのかね。意図的にそうしているわけではまったくないのだが。ポジティブなことが書きたいものである。
現代にあっては、自分は天下国家など関係ないと云える人はひとりもいなくなった。そういう人は、「天下国家など関係ない」という関係を取っているに過ぎない。それが管理社会の到来ということである。そのうち、どのような山奥ですら、100m間隔で土地に ICタグが埋め込まれるような時代が必ず到来する。どこで何をしていようが、必ず国家に把握されるということだ。既に、それに近いことになりつつある。例えば、このところ何か犯罪が起きても、必ずどこかの防犯カメラに捉えられているということが報道でわかるだろう。それは、犯罪者だから捉えられているわけではもちろんない。誰だって捉えられているのだが、それがあからさまにならないだけのことである。今ですら、自由に行動できるのは「テロリスト」だけということになりつつある。だからこそ、国家は「テロリスト」を許せないのである。ちなみに、インターネットは匿名に見えて、ふつうにやるとすべて証拠が残ってしまう。これも、自由に動けるのは相当の技術を持った者だけである。幸い(?)、日本の警察の技術力は、他の先進国に比べて相当に低いらしい。少し前までは、IPアドレスの何たるかもよくわかっていなかった証拠がある。しかし、今ではわからないが。
技術的な話になるが、我々がインターネットで使っている HTTP というプロトコルは、ふつう 80番ポートを使う。で、個人のサーバで 80番を開いたりすると、必ずすぐに(数時間以内に)世界のどこか(ロシア、中国、その他)からクラッキングに来るバカが現れるそうだ。素人なのかプロなのか知らないが、好意的な意図な筈がない。誰にも知らせなくとも必ずらしいので、絶対にセキュリティを疎かにしてはいけないという話である。もちろん、ふつうに変なことをやらずネットを見ているだけなら、別に危険は殆どない。これも技術的な話だが、自宅の PC でネットを見ているとき、その PC は直接インターネットに繋がっているわけではなく、家庭の部分はローカル・ネットワーク(LAN)なのである。インターネットの領域は何でもありな、ちょっとコワい世界でもあるのだが、そこからは守られているのだ。だから大丈夫なので、逆にインターネットの世界に直結するのは、相当な技術力がないと危険でもある。
どうでもいいことを書くが、この過疎ブログのアクセス解析を見ていると、最近はスマホで来る人が半分、いやそれ以上かな。だから、ブラウザは ChromeSafari が多い。PC で来る人も ChromeFirefox が半分以上だから、IE が本当に少なくなった。たぶん、PC のことがよくわからず、買ったまま WindowsIE を使っている人だけなのではと思われてくる。それも当然なことで、あんな使いにくいブラウザはないから、そういうことになっているのだろう。自分などは、OS も Windows を殆ど使わなくなってしまった。

ヴァルター・ベンヤミン『パリ論/ボードレール論集成』読了。ベンヤミンという人は思想家としては三流であるが、文学者としてはなかなかおもしろい人だ。僕は彼のエッセイ風の文章はわりと好きである。本書の「ボードレールにおける第二帝政期のパリ」は力作評論だが、こういうのはすごいと思うものの、正直言ってそれほど惹かれない。まあ、こちらに学がないせいもあろう。『悪の華』を読み返してみようかなとは思ったから、それなりには気に入ったのかも知れない。本書では「セントラルパーク」が好きかな。しかし、日本人のベンヤミン好きはどういうものだろうか。文庫本でほぼ全著作が読めるのだけれども。それにしては、最近ベンヤミンについての文章を見ないなあ。「複製技術時代の芸術作品」には、一時期猫も杓子も言及したものだが。

パリ論/ボードレール論集成 (ちくま学芸文庫)

パリ論/ボードレール論集成 (ちくま学芸文庫)


中東・イスラーム学の風姿花伝 | 池内恵(いけうち さとし 東京大学准教授)
いやこのサイト、皆んな既に知っていますよね。僕も一応知っていたのだが、著者にあんまり好印象を持っていなかったせいで、きちんと読んでいませんでした。いやもう、大損害。第一印象がいかに当てにならないか、痛感しました。というか、このサイトの有用性は好き嫌いの問題を遙かに超越している。著者が極めて優秀な学者だというのは知っていたのだが、これほどであるとは、これまで著書も何冊か読んでいたのに、自分の目は節穴だと云う他ない。まだこのサイトを知らないという人は、この記事から読んでみてもいいでしょう。必ず驚かされる筈です。つづきのこれもすごい。