こともなし

晴。
音楽を聴く。■モーツァルト:ピアノ協奏曲第十四番 K.449(内田光子、テイト、参照)。■ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲 op.53 (チョン・キョンファリッカルド・ムーティ参照)。ドヴォルザークの中では好きな曲。チョン・キョンファは申し分なし。またムーティがうまく付けている。■ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第一番 op.12-1 (ズーカーマン、バレンボイム参照)。チャーミング。
昨日リンクしておいた池内恵サイトをつまみ食いする。その有用性に、ますます驚かされる。某池上彰よりわかりやすいくらいだし。
2015年晩秋_107

2015-11-23
久しぶりにちきりんさんのブログを覗いてみたら、驚くような記事が載っていた。僕はちきりんさんは優秀な人だと思うけれど、これはありがちな誤り。経済学の練習問題として、どこが間違っているか考えてみると勉強になると思う。
 しかし、ちきりんさんの言いたいことはわからないでもないのだよねえ。資本主義は、ムダがあれはあるほど上手くいくようになっている。ムダというのは語弊があるかも知れないけれど、ここでムダというのは、安いゴワゴワのパジャマを着るより、高いふかふかのそれの方がいいというような感じだ。贅沢と云ってもよい。別に質の悪いパジャマを着ていても当人は死なないけれど、「ムダに」高価な高品質のパジャマが売れた方が(経済学的には)本人も誰も皆んなハッピーになれるのである。それは理論的にちゃんと示すことができるので、経済学を勉強してみて欲しい。しかし、日興證券からマッキンゼーというエリート街道を歩んでこられたちきりんさんが、そんなことがわからない筈もないので、まあ炎上狙いの釣りなのかとも思う。とにかく、ムダがあった方がよいというのが納得できないと。そんなことでいいのかというのだが、それが資本主義なので、それがいけないとなると革命とか、究極的にはそちら系の話になってしまうのだ。共産主義者ちきりん。
 それから、経済学の進歩で経済学は実証的な学問になりつつあるところだが、それはどうやったらビジネスで勝てるかという問題とは次元がちがうということ。だから、経済学を知っていても金持ちになれるかどうかは定かではないし、経済学を知らなくてもビジネスの勝者になれることは不思議でも何でもない。ただし、国家レヴェルの話になってくると、様子はちがってくる。これこそが今の経済学が強くなったところで、経済学で一国を強くすることは可能も可能だし(例はアメリカ)、優秀な会社がたくさんあっても、経済学に無知でひどい経済にすることも充分可能(例はちょっと前までの日本)。またこのレヴェルになると、ビジネスの勝ち方とはまったく話がちがうために、ビジネスでの勝ち組のオレの云うことを聞けというのが通用しなくなる。よくいるでしょう、中国経済が崩壊するというようなことを言い続けているカリスマ経営者とか。でも、こういうのはたとえ当ってもまぐれなのである。
 好景気で税収が増えたそうですな。財政赤字を減らすのは、好景気にして得た税収増を当てるのがいちばんだと言ってきたでしょう。しかし、結局政府はやる気なしなのだよなあ。まあ、財政赤字がそれほど緊急性のある問題ではないことを、結局政府は知っているということなのだろうが。それは正しいことは間違いないので、本当は軽度のインフレを続けていって結果的に借金を目減りさせるのがいちばんなのである。皆んなから叱られそうな意見だが、実際これで過去にイギリスとフランスは莫大な財政赤字をきれいにチャラにしているのである。高度成長期に借金がどんどん目減りしていった経験を持たれる年配の方も居るだろう。これはそのまま国家レヴェルでも通用するのだ。
 って何を書こうとしたのだっけ。不得意分野についてエラそうに語るのはここで止めておく。今日は C++ についての初心者本と、町田康を読んでいました。ちょっと頭が疲れている。
 しかし、左翼的思考親和者として、ムダがある方がよい資本主義なんて言っているのは、忸怩たるものがあるのは事実だな。けれども、僕ですら革命バンザイとか、共産主義バンザイとはなかなか言えない。だから、事実上の革命を静かにやってしまった北欧諸国は、本当にすごいと改めて思う。実際に北欧諸国の生活は、日本より、アメリカより豊かであると言ってよいのだろう。そのあたり、もっと勉強しないとな。