トーベ・ヤンソン『島暮らしの記録』/小泉修『Web大全』/臼田捷治『工作舎物語』

曇。
馬鹿みたいに寝てしまった。
音楽を聴く。■バッハ:三台のハープシコードのための協奏曲第二番BWV1064 (ピノック、参照)。■バッハ:カンタータ第1番「輝く明星のいと美しきかな」(カール・リヒター参照)。■ベートーヴェン交響曲第九番op.125(カール・ベーム、VPO、参照)。終楽章に圧倒される。最高度の名演。このいわばポピュラー曲ともいえる楽章を、これほどの緊張度と強度でもって演奏できるとは。聴いていて恐ろしくなってくるほどであった。最初の三楽章の演奏も素晴らしい。このベームの演奏では、最初の三楽章と終楽章の雰囲気をガラリと変えているのが特徴的であろう。そこのところは評価がわかれるかも知れないが、どちらかが劣っているとかいうことはない。曲の価値としては最初の三楽章の方が高いが、この演奏だと終楽章をこうした形にしたベートーヴェンの意図が、わかるような気がする。それにしても、ベームがこれほどの演奏ができる指揮者だとは思っていませんでした。認識を改めました。

銀行で振込。車はお金がかかるなあ。
図書館から借りてきた、トーベ・ヤンソン『島暮らしの記録』読了。題名どおりの本。僕は島暮らしなどしたいとはまったく思わないが、他人が楽しそうにやっているのを見ると、こっちまで楽しくなってくる。しかし、勝手に島に小屋を建ててしまうなんて、いくら無人島でも日本ならあり得ないよね。これはロビンソン・クルーソー的な詳細な記録ではなくて、簡潔なものだが、これはこれで悪くない。著者の「ワイルドさ」は、解説を読むと両親譲り(特に母親)らしい。本書でも、高齢の母ハムが一緒に住んでいて、まだまだワイルドなのがわかる。あとは、同居人のトゥーティと、猫のプシプシーナとの暮らし。著者の島暮らしは赤ん坊の頃からの筋金入りのものだが、最終的に高齢になってすべてを律せられなくなると、きっぱりと島暮らしをやめてしまうところがすごい。島暮らしは、著者には遊びなんかではないのだなと思う。こういう人だからこそ、「ムーミン」シリーズを生み出せたのかも知れない。

島暮らしの記録

島暮らしの記録

しかし、ネットを見てみると、この島へ行きたい、あるいは実際に行ってしまう日本人が結構いて、驚かされる。まあ気持ちはわかるけれど、いい加減にしておけよともちょっぴり思う。いま「秘境駅」なんかも大変な人気で、そこからどこへも行けない駅に、少なくない人たちが降りるらしい。これと多少関係があると思うのだが、ちょっと有名な人の絵画展とかの類、たいてい何時間待ちで、僕はもうこういう展覧会に行くのは諦めた。逆に、いい企画でもポピュラーでないと、客がきていなくてガラガラというのは、これもしょっちゅう。まあいいけど。
図書館から借りてきた、小泉修『Web大全』読了。さすがに知っていることが多かった。内容が少し古いし。
Web大全―図解で理解その進化のすべて

Web大全―図解で理解その進化のすべて

図書館から借りてきた、臼田捷治工作舎物語』読了。副題「眠りたくなかった時代」。プロらしい、スレた文体。
工作舎物語 眠りたくなかった時代

工作舎物語 眠りたくなかった時代