晴。
音楽を聴く。■モーツァルト:弦楽五重奏曲第三番K.515(オルランドQ、今井信子、参照)。名曲の名演だ。オーソドックスな演奏にして、十全。メリハリは利いているが、誇張はなくてなめらか。■バッハ:ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ハ短調BWV1024、イ長調BWV Anh.153(ムジカ・アンティクァ・ケルン、参照)。■バッハ:パルティータ第二番(ギーゼキング)。
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木村靖二『第一次世界大戦』読了。新書版の簡潔な通史であるが、今までの自分の知識が如何に断片的であったかを思い知らされた。大戦通史はどうしても軍事面に重きを置きがちだが、本書はそればかりに留まらない。軍事、政治、外交、文化、経済など、大戦の様々な面に光を当てた、総合的な通史になっている。新しい研究成果を元に、通説が退けられているところも少なくない(例えば、開戦時におけるドイツの責任が重く見積もられている)。
第一次世界大戦は、平和なベル・エポックを打ち終わらせ、全体戦争に道を開き、それまでの戦争に比較して遥かに悲惨であった、画期的な戦争であった。また、帝国(ロシア、ハプスブルク)を解体して国民国家を基礎にし、列強中心の歴史からアメリカ中心の時代への転換をもたらした戦争でもあった。まさしく、現代はここから始まったのである。これに比べれば、第二次世界大戦は、これとは本質的にちがいはなく、この延長線上にあったと云えよう。そして、ヨーロッパの市民社会と、それを支えるイデオロギーに対する素朴な信頼もまた、これによって大きく揺らいだのだった。機械化された現代戦争が始まったのもここにおいてであり、これもまた現代に至っている。我々としては、ヨーロッパ文明がここに行き着いたことを、すべからく念頭に置いて忘れるべきではない。その底には、一種のヨーロッパ的「偽善」があることに注目すべきであり、そのことは現代においてもかわらない。むしろそれは、世界へ向けて「普遍化」したとも云えるだろう。日本ももちろんその流れのなかにあったわけだが、現代の日本は、今になってそれをさらに「内面化」しようとしている。ある意味、ここにおいて日本の「西欧化」が完了するのかも知れない。
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音楽を聴く。■シューベルト:弦楽四重奏曲第十三番D.804、第十番D.87(コダーイQ)。第十番の終楽章がいい。
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今日までで早朝出勤はお仕舞い。