大栗博司『大栗先生の超弦理論入門』

晴。
大栗博司『大栗先生超弦理論入門』読了。自分はこれまで超弦理論の一般向け解説書は、日本語で書かれたものはだいたい読み散らしてきたので、本書の内容にはさほど驚くようなことはなかった。しかし著者の文章はとてもすっきりしていて、洵に読みやすい。また、著者の前の二冊の新書と同じく、解説の仕方にオリジナリティがある。例えば、ワイルのゲージ原理を説明するのに、経済学の為替理論を使うというのは意表を突かれた。(しかし電磁場のゲージ原理の本書の説明が、実際に数式レヴェルでどういうことなのか、自分にはよくわからないところが情けない。スカラー乃至ベクトル・ポテンシャルの関係だと思っていたのだけれど、位相ですか。これくらいは数式レヴェルで理解したいのだが。)本書があんまり読みやすいので、何だか超弦理論がわかったような気にさせられるのだが、実際は大変にむずかしいんですよ。自分には、場の量子論ですらなかなかわからないのだ。でも、本書はブルーバックスだから、若い人が本書を読んで、その中にはきっと超弦理論の研究者になる人も出てくると思う。本書にもあるとおり、大栗先生を始め、超弦理論の研究には日本人も大きく貢献しているのだ。本書はいい本です。若い人、頑張って下さい!

大栗先生の超弦理論入門 (ブルーバックス)

大栗先生の超弦理論入門 (ブルーバックス)


音楽を聴く。■モーツァルト:ピアノ協奏曲第九番K.271(ペライア)。『成城だより』を読んでいて聴きたくなった。なるほど、注意深く聴けば、モーツァルトが相当気合を入れてこの曲を書いたことがわかる。それまでのピアノ協奏曲のイメージを塗り替える斬新さに満ちている。■ブラームス交響曲第二番op.73(カラヤン1963)。通俗曲なのだが、好きなんです。

化学兵器を使用したということで、アメリカはシリアを空爆するとか言っているが、結局民間人が死ぬだけだ。止めておいた方がいい。さらに中東情勢を混沌とさせるつもりなのか。