大岡昇平『成城だより(下)』/村上春樹『海辺のカフカ(上)』

曇のち雨。
大岡昇平『成城だより(下)』読了。ほとほと感心。この高密度の散文を読んでいると、自分が最近解体に入っていることに気づく。当分そうだろうな。こういう時は意見というものは出てこないのだが、本を読むのはどんなものでも悉く楽しい。

成城だより 下 (講談社文芸文庫)

成城だより 下 (講談社文芸文庫)

村上春樹海辺のカフカ(上)』読了。最初は何て退屈な小説かと感じたのだが、途中から引き込まれた。文章は身悶えするくらい恥ずかしいのだが。それに、まだ半分読んだだけなので断言はできないけれど、どう考えても通俗小説じゃね? 夜行バスに一緒に乗り合わせただけで、十五歳のマッチョな主人公のペニスをしこしこしてくれる女性とか、あざとい仕掛けじゃないか? まあ、別に通俗小説でも不都合はないですが。それから、猫のスプラッタ場面はひどすぎるだろ。結局、性と暴力の作家? ナカタさんが気になる。下巻へ。
海辺のカフカ (上) (新潮文庫)

海辺のカフカ (上) (新潮文庫)


音楽を聴く。■モーツァルト:ピアノ協奏曲第二十一番K.467(ペライア1990)。ペライアにしてはめずらしく凡演。終楽章など、ポリーニ盤の方がよほど溌溂としている。