日曜日。ようやく休み。酷暑。
カルコス。
二時間以上、昼寝してしまった。疲れていたのかなあ。
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大島堅一『原発のコスト』読了。原発は思想的にも止めるべきだが、コストの面から見ても割に合わないことを、本書は教えてくれる。今まで原発が安上がりだとされてきたのは、バックエンド・コストを勘定に入れていないこと、そしてもし大きな事故が起きてしまえば、直接の事故処理費用に加え、巨額の賠償が必要になることを考慮していないためである。これらはまあ既によく知られていることであり、本書に特に意外な記述はなかったが、学問的にきちんと考察するというのは大切なことだ。とにかく、様々な人に読んでもらいたい本である。
しかし、不思議に思うのは、政府・官僚も経済界も、どうしてこんなに原発に固執するのか*1。そちらの方が不可解な気もするくらいだ。彼らの頭の中では、原発がどのように想像されているのか。精神分析的な問題だと思うくらいである。
- 作者: 大島堅一
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2011/12/21
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それから、こんな議論がある。「タクシーの参入規制の撤廃で多くの新規事業者が参入したことで、既存のタクシー運転手の所得が大幅に減少したことが『行きすぎ』といわれる。しかし、これは新規に運転手として働けるようになった労働者の利益や、台数が増えたことによる利用者の利便性の向上を無視したものである。」(p.170)著者はこれで論破しているつもりのようだが、自分にはこれは簡単に全面的に承服できる議論には到底思えないのである。もともとそれほど多い収入があったわけでもないところに、規制緩和のお陰で所得が「大幅に」減ってしまったというのは、大きくもないパイの配分を極端に減らされたわけで、それを新規参入者のために甘受しろというのであろうか。なんでも簡単に一律に言えないからこそ、この問題は「行きすぎ」と云われるのではないのか。ましてや、規制緩和の「中途半端」という矛盾で、著者も認めているように、「供給が大幅に増えたにもかかわらず、タクシー運賃がまったく下がらず、むしろ引き上げられた結果、利用者がまったく増えなかった」(p.170-171)というのだから、何をやっているのだろうか。だいたい著者は、どうしてそれが「中途半端」になったのか、想像したのだろうか。運賃を下げれば、恐らく既存業者の少なからずが廃業していただろう。そして自分が上に述べた、既存業者が大手に取って代わられるという結果になっていただろう。著者はまさしく、そうあるべきだと、暗に主張していることは明らかである。そこらあたりが、敢て本書では語られていないところなのである。
- 作者: 八代尚宏
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2013/08/07
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