野口旭、田中秀臣『構造改革論の誤解』

曇。時雨れる。とうとうコートを引っ張り出してきてしまった。
野口旭と田中秀臣の共著『構造改革論の誤解』読了。十年前の本である。当時、構造改革が叫ばれ、金融政策を疑問視した風潮を論駁している。構造改革はそれでいいが、適切な金融政策が行われなければ構造改革すら無意味であることを説き、金融政策によってデフレを克服して、ゆるやかなインフレにもっていかねばならないことが、既にはっきりと指摘してある。この十年間って、いったい何だったのだろう… で、今でもリフレは、日本人の常識になっていない。増税とか財政破綻だとか、信じられないことが日々報道されているし、TPPとかどうでもいいことが大問題のようなことになっている。円高をなんとかするとか、景気をよくするとか、当たり前のことが、打つ手なしだとか言われている。もうちょっとマジメにやってほしい。

構造改革論の誤解

構造改革論の誤解