若田部昌澄『ネオアベノミクスの論点』

ぽつぽつ降っている。のち晴。多少寒い(関東では雪の由)。
音楽を聴く。■ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第三番op.37(ルービンシュタイン、ヨーゼフ・クリップス参照)。相変わらずルービンシュタインのピアノの音が汚いのは気になるが、立派な演奏ではある。色々考えさせられた。

若田部昌澄『ネオアベノミクスの論点』読了(電子書籍版)。基本的にリフレ派がこれまでに言ってきたことの繰り返しで、さほどの新味は感じない。まあ、「オープンレジーム」という考え方を出してきて、「バカ」(=反リフレ派、という含意になっている。著者はもちろんそんな言葉は出していないが、田中秀臣先生などははっきりと仰っているね)が口出しできないようにしようというのは、考えたなと思う。ただ、この「オープンレジーム」「クローズドレジーム」という発想は、多少イデオロギーの匂いがするね(それがいけないというわけではない)。また、リフレ派政策の成功で自信をもったのは慶賀に堪えないが、全能感が漂っているのは気にならないでもない。地方への再分配を否定したり、かつての公害を許容しているように見えるのは、論理は一貫しているけれども、そんなものなのかと思う。まあ、今はリフレ政策が成功しているので、自分は経済とはちがったことを考えたい。引き続き、リフレ政策は支持する。しかしそれは、安倍内閣の全肯定は意味しない。国民は基本的に、政府に対して全肯定でない方がいいと思うので(というところが左翼的思考法かも)。