田中秀臣『経済政策を歴史に学ぶ』

晴。もう梅雨明けだって。
田中秀臣『経済政策を歴史に学ぶ』読了。ちょっと古い本だが、現在でも何の修正もいらない。新書とは思えないほどハードな本だ。経済理論に精通した経済史家の真骨頂が発揮されている。小泉純一郎元首相の構造改革が、歴史的な「先蹤」と共に徹底的に批判されているが、こういうことが今でも常識化されているとは思えない。そして、最近広く知られるようになってきた、経済における「レジーム転換」の重要性が、歴史的な事例(例えば高橋亀吉)と共に、既に語られている。やさしい本ではないが、ほとんど我々の必読書だろう。「素人主義者」は著者の嫌うところだが、それにもかかわらず、我々素人も著者に学ばねばならない。

経済政策を歴史に学ぶ [ソフトバンク新書]

経済政策を歴史に学ぶ [ソフトバンク新書]