チェーホフ『子どもたち・曠野』

晴。
チェーホフ『子どもたち・曠野』読了。チェーホフの短篇集。中篇の「曠野」は、売れっ子・チェーホフから、いわゆる純文学の作家への転換をなす作である。勉学のために生家から出された幼い少年が、大人と曠野を馬車で旅する様子だけを描いているのだが、それが淡々延々と続いて、退屈さを感じないでもない。しかし、道中で出会うロシアの下層の人々を、ありのままに描写していて、ここにこそロシアの大地があるとも思われる。

子どもたち・曠野 他十篇 (岩波文庫)

子どもたち・曠野 他十篇 (岩波文庫)