ボルヘス『汚辱の世界史』/マキァヴェッリ『フィレンツェ史(上)』

雨。
J・L・ボルヘス『汚辱の世界史』読了。中村健二訳。ボルヘスの最初の短篇集である。出発点から、ボルヘスボルヘスだったのだな。多読によって蓄えた歴史的知識を、幻想譚として敢て改竄するボルヘスは、外国人作家として自分が最も愛する小説家のひとりである。ボルヘスの世界は、どこか永遠と繋がっているように感じられる。彼の手にかかると、「人生は一片の夢」と化してしまうかのようだ。

汚辱の世界史 (岩波文庫)

汚辱の世界史 (岩波文庫)

マキァヴェッリフィレンツェ史(上)』読了。新訳。ちくま学芸文庫では『ディスコルシ(ローマ史論)』の新訳が出たし、『フィレンツェ史』までも出るとは。両方とも古い岩波文庫の訳で読んだのは、いつ頃のことだったろうか。しかしマキァヴェッリ、新訳でも読みやすくはないね。これは元々そうなのだろう。
フィレンツェ史(上) (岩波文庫)

フィレンツェ史(上) (岩波文庫)