日本の田舎のインフラ投資

晴。
 
起きて家族旅行のブログ日記を書く。
木蓮が満開。
 
スーパー。プリペイドカードをチャージしておくのを忘れていた。
 
家族旅行で舞鶴若狭自動車道とか、京都縦貫自動車道とかの田舎の「新しくてモダンな高速道」を車で走ったわけだが、日本は田舎に膨大なインフラ投資をしてきたよなって思わずにはいられなかった。山々の間に高速道路を走らせ、トンネルをガンガンぶち抜き、高い橋脚を築き、ものすごいよ。なんで、インフラなんだろうとは思うが。というか、もちろん地方が基盤の、自民党政治が長年続いてきたからで、インフラへの投資(土建屋政治)が地元民へのわかりやすいアピールだったからだけれども。地方民のわたしとしては恩恵をこうむっていることになろうが、それにしても(道路を中心とする)インフラでよかったのだろうか、という思いはないでもない。いずれにせよ、これから観光立国が重要となる日本には、地方・田舎の交通インフラ整備は、大きなプラスにはなるだろう。
 もし都会民がこの状況に不満ならば、「一票の格差」を是正すればおそらく済むだろう。いまは都会と田舎の「一票の格差」は最大で二倍程度あり、仮にそれが是正されて都会出身の国会議員の数がずっと増えれば、都会中心の政策に転換されることになるだろうから。まあ、東京への一極集中が続き、日本=東京となっている状況が、さらに強化されてよいのかという話ではあるのだが。
 しかし、もう少し(新幹線以外の)鉄道インフラを、公的に補助してやってもいいと思うのだけれど。道路と、格差がありすぎないか?
 

 
昼から曇る。

満開のウチの木蓮。強い香りがあたりにただよっている。
 
桜を見がてら、イオンモール扶桑までドライブする。国道21号以南の新境川堤や、愛知県側の「お囲い堤ロード」のソメイヨシノ、ほぼ満開できれいだった。まだ散り始めてはいない。曇っていたのが残念だったが。
 ミスタードーナツ イオンモール扶桑ショップ。ポン・デ・濃い抹茶ホイップ わらびもち+ブレンドコーヒー495円。フリードリヒ・グルダ(1930-2000)の『俺の人生まるごとスキャンダル』を読み始める。クラシック音楽の古典的なレパートリーをもつピアニストでありながら、ジャズを演奏したりと自由な生き方をしたグルダであるが、インタヴューが元の本書を読むと、グルダが古典的なよい耳をもっていたことがよくわかる。というかまあ、逆に、グルダを読んでいるとわたしの(クラシック音楽を聴く)耳も、それなりに自信をもっていいことが保証されてしまうと(エラソーながら)いえるわけだが笑。これは、感動する能力、とはあまり関係がなく、音楽の核心のようなものが「わかる」かどうか、としかいいようのないもので、ほとんどの人はそれをもっていない。ま、だからといってどんな音楽でも「わかる」とか、そんなことはいえないわけだが。ちなみに、いま生きている人ですごい耳の持ち主だとわたしが思ったのは、例えば村上春樹小澤征爾との対談本や、『古くて素敵なクラシック・レコードたち』はめちゃすごい)であり、マルタ・アルゲリッチ(彼女が共演している中でも、あまり世界的に有名ではない音楽家を聴いてほしい)である。
 本書はまだ途中で、ジャズの話とかは読んでいないのだが、音楽家などの評価がじつにおもしろく、また納得させられる。例えば――ピアニストでは、ホロヴィッツは正直好きになれないが、ルービンシュタインはイヤな趣味がなく、チャーミングなところがあって、またピアノをきれいに響かせる。音の感覚をあともっているのは、ミケランジェリ、あの人の完璧主義は自分で苦役だったろうが。カラヤンは「権力者」としてはアレだが、やっぱり偉大な音楽家、彼の手にかかるとオーケストラからほんとにきれいな音が出るし。バーンスタインモーツァルトはクソで、またジャズを知っているフリをしているが、ジャズの理論の知識がまったくないのには呆れた、でも「第九」を聴いたらこれはよかったね。カール・ベームとは一緒に共演できて心から満足できた、ベームモーツァルトは最高。ジョージ・セルもすばらしい。
 自分のレコード、ベートーヴェンソナタ全集はいまならちがった風にやるところもあるが、かなりいいと思うよ。モーツァルトは最高の音楽家で、なかなかレコードにするわけにいかない(注:グルダは死ぬ前に自宅でソナタ全曲を個人録音したが、DGがマスターを紛失し、現在は劣化音質盤で出ている)。レコード会社? レコード会社には方針ってのがあって、あれはつまらないね。DG(ドイツ・グラモフォン)という(いちばんの)メジャーレーベルがあるが、方針から外れたことは絶対にしなくて、つまらない。それから ECM って(メジャー)レーベル、「ECMサウンド」ってイメージだけが大事なヘンな会社で、クリエイティヴな人間としての演奏家なんてのは彼らにはどうでもいいことなのさ。
 ピアノに何を使うのかはむずかしい。ベーゼンドルファーで育ったし、最高なのだが、小さな会社で世界的なサポートができていない。だから、スタインウェイを使うこともある、ベートーヴェンなんかはスタインウェイの方がいい。日本のもあるよね、カワイってのは三流だけれど、ヤマハは結構がんばってる、日本人のことだから、そのうち追いついてくるんじゃない?

 
 
夜。
アニメの『僕らはみんな河合荘』(2014)をつまみ食いして観返していたのだが、じつにもったいなかったなあ。丁寧に描きすぎて、原作だと第3巻まで、ほんの導入じゃん。せめて第4巻の学園祭か、いや第5巻のバレンタインまでやれば、律ちゃん、宇佐くんのことが大事になってきて、かわいくなるのになあ。いや、「円盤」の売れなかったこの1期ですら、いまでは結構評価されていますよ。原作が完結して、是非2クールで2期を、って声は多いです。

宮原るり僕らはみんな河合荘』第5巻より(Kindle版、171/197)