性の暴力性・女性原理

曇。

「月曜日のたわわ」を人々はどう見るか/田中辰雄 - SYNODOS
データ分析。若い人たち、さすがに冷静なんだな。ちょっと意外だったのだが、当たり前といえばそうか。頼もしい話である。
 ちなみに、この問題に関するわたしのスタンスは分析の選択肢になかった。前にも書いたとおり、この広告は版元の確信犯的な炎上ねらいであり、これは趣味が悪いとわたしは思う。その意味で支持しない。
 なお、ある質問の選択肢にあった、「男性目線のいやらしさを感じる」というのにはちょっと笑った。わたしに関していえば、中年独身男性としての(?)いやらしい、エロい視線をもっているし(例えばわたしはここで問題になっている、「女子高生」に思わず性的なものを感じることがある)、また、そのような視線は女性に対する暴力になりうるから、公的な場で表明(あるいは公開)すべきでないという最近の風潮を理解できる、といっておこう。おっさんにはむずかしい時代になったものである。
 さらにいっておけば、性にはある程度の暴力性がどうしても含まれてしまうように、わたしには思える。もちろん「男性」が加害者で、「女性」が被害者である。完全にサニタイズされた性は、もはや性ではないように思われる。しかし、現実化した過度の性暴力は、もちろん許されない。強姦、痴漢やDVなどの、性暴力の被害は悲惨だ。そこが、むずかしいところで、自分でもはっきりまとまっていないところである。性の暴力性をある程度でも認めることは、社会正義の立場からは許されないことであるが、現実にわたしには性の暴力性がある。つまり、わたしのような人間は、厳密にいえば社会に存在すべきではないということになるかも知れない。
 いずれにせよ、性の領域は完全に論理で詰めてしまわずに、ある程度のあいまいさがあった方がよいような気がする。少なくともわたしには、男性の性的想像力の問題すら(?)、自分でよくわかっているとはいえない。また、性的嗜好の問題。これは非常に個人差の大きい話である。なかなか一般化はむずかしいと思う。

ここに、いわゆる「女性原理」の問題を入れると話はさらに複雑になる。男性を呑み込み、包み込むものとしての「母性」、グレート・マザーの問題といってもいい。男性が、女性に「溺れる」という感覚でもある。(これら「男性」「女性」とは、多分に比喩的なものでもある。また、「母性」といっても必ずしも子供のあるなしではない。)「男性原理」の強い西洋とは反対に、日本ではこの「女性原理」がもともと非常に強い、というのが河合隼雄先生の指摘したことであった。この「女性原理」の問題は、論理で語ることが非常にむずかしく、人によってはこの問題を疑似科学に分類することも考えられるが、実際に存在する大問題であることをわたしは疑わない。これは意識の深いレヴェルの話なので、いまのようにフェミニズム隆盛の時代でも、ほとんど手付かずで残っているように思われる。また、現在の切断する知的なフェミニズム自体が、かなり「男性原理」的であることも、問題をわかりにくく、むずかしいものにしている。
 グレート・マザーとしての「母性」は、論理からは「悪」「暗黒」と見做されがちなのだと思う。性の暴力性などとは比較にならないほどの、「絶対悪」として。それは、切断する論理(=「光」)を呑み込んでしまうからだ。

いい天気。日差しが強くなってきた。
ひさしぶりのイオンモール各務原。何か歩いている人が減った感じ。UNIQLO で部屋着と下着を買う。
3Fの未来屋書店岩波新書西田幾多郎本、文庫本の伊藤比呂美さんを購入。
1Fで地元の和菓子を買って帰る。

ウチのウコンの花。
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小坂国継『西田幾多郎の哲学』を読み始める。「序論」を読んだが、これ、とてもいい。じつによくわかるし、わたしの考えているに近いことを、西田もまた深く考えていたのだなということで、非常に共感できた。例えば後期西田の課題のひとつは、わたしの言葉でいうと、自分=世界であるならば、そこに「他者」はいかなる形で存在するのか、といいあらわすことも許されよう。わたしは、そこを西田がどう「解決」したのか、はなはだ興味がある。
 それにしても、(仏教を中心とする)東洋思想を西洋哲学として記述しようというのは、何というドン・キホーテであろうか、西田は! その悪戦苦闘ぶりには、感動的なものがある。本書序論は、そこのところがとてもよくわかっている感じだ、わたしなどがいうのは僭越ではあるが。先を読むのがまことに楽しみである。

西田の「場所」の概念は独創的である、と。確かに。西田哲学は、一種の唯心論(この語には気をつけねばならないが。例えば「唯物論」に対する「唯心論」ではない*1)である、と。まさに。西田は自分の哲学を「徹底的実証主義」と呼んでいるそうである。おもしろい。

夜。
平田精耕老師を読んで、さっさと寝る。

*1:通常は、「唯物論」に対しては「観念論」か。