2020年極私的回顧

今年は何をして、何を見て、何を読んだのか、茫漠としている。ということで、一年間のブログのタイトルを Ruby で取得してみた。

1月
01/01 -> 岸政彦『断片的なものの社会学』
01/02 -> 池内紀『散歩本を散歩する』 / アントナン・アルトー『演劇とその分身』
01/03 -> こともなし
01/04 -> 妹一家来訪
01/05 -> こともなし
01/06 -> 母入院
01/07 -> こともなし
01/08 -> 母手術
01/09 -> 唐澤太輔『南方熊楠』
01/10 -> こともなし
01/11 -> 鈴木大拙『禅問答と悟り』
01/12 -> こともなし
01/13 -> こともなし
01/14 -> 村田喜代子『飛族』
01/15 -> こともなし
01/16 -> 羽海野チカ『3月のライオン 15』 / 本間ひろむ『アルゲリッチとポリーニ』
01/17 -> こともなし
01/18 -> ポリーニの新譜、ショパン・アルバム
01/19 -> 湯川豊『本のなかの旅』
01/20 -> こともなし
01/21 -> 中井正一『日本の美』
01/22 -> こともなし
01/23 -> こともなし
01/24 -> オウィディウス『ヘーローイデス』
01/25 -> こともなし
01/26 -> 母退院
01/27 -> こともなし
01/28 -> 母再入院
01/29 -> 梯久美子『好きになった人』
01/30 -> 母再手術
01/31 -> こともなし
2月
02/01 -> こともなし
02/02 -> こともなし
02/03 -> 細野晴臣『とまっていた時計がまたうごきはじめた』
02/04 -> こともなし
02/05 -> こともなし
02/06 -> 坪内祐三『右であれ左であれ、思想はネットでは伝わらない。』
02/07 -> こともなし
02/08 -> こともなし
02/09 -> こともなし
02/10 -> こともなし
02/11 -> アポロニオス・ロディオス『アルゴナウティカ』
02/12 -> こともなし
02/13 -> 母退院
02/14 -> 吉田秀和『クライバー、チェリビダッケ、バーンスタイン』
02/15 -> こともなし
02/16 -> こともなし
02/17 -> こともなし
02/18 -> こともなし
02/19 -> こともなし
02/20 -> 母再々入院
02/21 -> Windows 8.1 を 10 にアップグレード
02/22 -> Windows 10 と Linux Mint 19.3 のデュアルブート
02/23 -> こともなし
02/24 -> こともなし
02/25 -> 細野晴臣『HOSONO百景』
02/26 -> こともなし
02/27 -> 母再々手術
02/28 -> こともなし
02/29 -> こともなし
3月
03/01 -> こともなし
03/02 -> 石牟礼道子『道子の草文』 / 坪内祐三『古くさいぞ私は』
03/03 -> こともなし
03/04 -> こともなし
03/05 -> プログラミング言語 Julia を使ってみる
03/06 -> こともなし
03/07 -> こともなし
03/08 -> こともなし
03/09 -> こともなし
03/10 -> こともなし
03/11 -> 読書のリハビリ
03/12 -> こともなし
03/13 -> 母退院
03/14 -> こともなし
03/15 -> 弓削達『地中海世界』
03/16 -> こともなし
03/17 -> こともなし
03/18 -> 中沢新一&山極寿一『未来のルーシー』
03/19 -> ミラン・クンデラ『邂逅』
03/20 -> こともなし
03/21 -> NHK-BSプレミアム「坂本龍一:被災地をつなぐオーケストラ」
03/22 -> こともなし
03/23 -> こともなし
03/24 -> こともなし
03/25 -> 武満徹対談集『音楽の庭』
03/26 -> こともなし
03/27 -> 堀江敏幸『戸惑う窓』
03/28 -> 東大作『内戦と平和』
03/29 -> こともなし
03/30 -> こともなし
03/31 -> 木谷明『「無罪」を見抜く』
4月
04/01 -> Ruby で CGI
04/02 -> 市民公園・新境川堤の桜を見たり
04/03 -> こともなし
04/04 -> こともなし
04/05 -> こともなし
04/06 -> こともなし
04/07 -> 鈴木宏昭『類似と思考』
04/08 -> こともなし
04/09 -> こともなし
04/10 -> 田村隆一『詩人の旅』
04/11 -> こともなし
04/12 -> 二槽式洗濯機が壊れました
04/13 -> ジェラール・ド・ネルヴァル『火の娘たち』
04/14 -> こともなし
04/15 -> こともなし
04/16 -> こともなし
04/17 -> こともなし
04/18 -> こともなし
04/19 -> 尾辻克彦『吾輩は猫の友だちである』
04/20 -> こともなし
04/21 -> こともなし
04/22 -> こともなし
04/23 -> Ruby 遊び
04/24 -> ThinkPad L560 落掌
04/25 -> また Ruby 遊び
04/26 -> こともなし
04/27 -> こともなし
04/28 -> 吉田秀和『ブラームス』
04/29 -> こともなし
04/30 -> こともなし
5月
05/01 -> こともなし
05/02 -> プログラミングと Ruby について少し
05/03 -> 『本の虫の本』
05/04 -> こともなし
05/05 -> こともなし
05/06 -> こともなし
05/07 -> こともなし
05/08 -> こともなし
05/09 -> 武満徹対談集『すべての因襲から逃れるために』
05/10 -> 小川隆『中国禅宗史』
05/11 -> 加藤典洋『僕が批評家になったわけ』
05/12 -> こともなし
05/13 -> こともなし
05/14 -> 加藤典洋『僕が批評家になったわけ』再読
05/15 -> 佐々木幹郎『猫には負ける』
05/16 -> こともなし
05/17 -> こともなし
05/18 -> こともなし
05/19 -> 太田光&中沢新一『憲法九条の「損」と「得」』
05/20 -> こともなし
05/21 -> シュトルム『みずうみ/三色すみれ/人形使いのポーレ』
05/22 -> こともなし
05/23 -> こともなし
05/24 -> こともなし
05/25 -> 秋月龍珉『禅仏教とは何か』
05/26 -> ちくま学芸文庫近代日本思想選『西田幾多郎』
05/27 -> こともなし
05/28 -> J・M・クッツェー『鉄の時代』
05/29 -> こともなし
05/30 -> こともなし
05/31 -> 村上春樹『女のいない男たち』 / ジョン・ロールズ『公正としての正義 再説』
6月
06/01 -> こともなし
06/02 -> こともなし
06/03 -> こともなし
06/04 -> 伊藤比呂美『道行きや』
06/05 -> こともなし
06/06 -> こともなし
06/07 -> こともなし
06/08 -> こともなし
06/09 -> こともなし
06/10 -> 加藤聖文『満鉄全史』 / 東浩紀『新対話篇』
06/11 -> こともなし
06/12 -> 萱野稔人『リベラリズムの終わり』 / 加藤典洋&高橋源一郎『吉本隆明がぼくたちに遺したもの』
06/13 -> 『最後の親鸞』を再読し始める
06/14 -> 中沢さんとコロナ
06/15 -> 魔夜峰央『翔んで埼玉』
06/16 -> こともなし
06/17 -> こともなし
06/18 -> 綿矢りさ『意識のリボン』 / 鈴木大拙『神秘主義』
06/19 -> こともなし
06/20 -> こともなし
06/21 -> 堀江敏幸『郊外へ』
06/22 -> こともなし
06/23 -> こともなし
06/24 -> 高度資本主義と「サブカル」
06/25 -> 関川夏央『人間晩年図巻 1995-99年』
06/26 -> 白石凌海『維摩経の世界』
06/27 -> こともなし
06/28 -> こともなし
06/29 -> 立花隆『武満徹・音楽創造への旅』
06/30 -> 二重の原生的疎外
7月
07/01 -> 東浩紀『哲学の誤配』 / 橋本倫史『市場界隈』
07/02 -> シンクロニシティ
07/03 -> こともなし
07/04 -> こともなし
07/05 -> 熊代亨『健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて』
07/06 -> 母診察
07/07 -> こともなし
07/08 -> 関川夏央『人間晩年図巻 1990-94年』
07/09 -> 自由⇒生命の軽視
07/10 -> こともなし
07/11 -> こともなし
07/12 -> こともなし
07/13 -> 武満徹の管弦楽曲集CD
07/14 -> 蔭山宏『カール・シュミット』
07/15 -> 山崎ナオコーラ『かわいい夫』
07/16 -> コンテンツを作る人間は奴隷である / 黒川創『鶴見俊輔伝』
07/17 -> こともなし
07/18 -> こともなし
07/19 -> 「この世界の片隅に」
07/20 -> こともなし
07/21 -> こともなし
07/22 -> こともなし
07/23 -> こともなし
07/24 -> 鈴木大拙『東洋的な見方』 / 安田峰俊『八九六四 ――「天安門事件」は再び起きるか』
07/25 -> 影書房刊『竹内好集』
07/26 -> 松浦壮『量子とはなんだろう』
07/27 -> 志村真幸『南方熊楠のロンドン』
07/28 -> こともなし
07/29 -> こともなし
07/30 -> こともなし
07/31 -> こともなし
8月
08/01 -> こともなし
08/02 -> 中谷功治『ビザンツ帝国』
08/03 -> 量子力学と「イマージュ」 / 柴崎友香『ショートカット』
08/04 -> こともなし
08/05 -> こともなし
08/06 -> 秋田魁新報取材班『イージス・アショアを追う』
08/07 -> こともなし
08/08 -> 『玄侑宗久の生きる力』
08/09 -> こともなし
08/10 -> こともなし
08/11 -> こともなし
08/12 -> 河出書房新社『南方熊楠 開かれる巨人』 / 園田高弘対談集『見える音楽 見えない批評』 / 『ウンベルト・サバ詩集』
08/13 -> お盆
08/14 -> こともなし
08/15 -> 江藤淳的「文学」の核心 / 石田英敬『記号論講義』
08/16 -> こともなし
08/17 -> こともなし
08/18 -> こともなし
08/19 -> 「世界という書物」を直接読む / 斎藤環『ひきこもりから見た未来』
08/20 -> 高度資本主義における我々のとりあえずの探求課題
08/20 -> こともなし
08/21 -> こともなし
08/22 -> 碧海寿広『科学化する仏教』
08/23 -> こともなし
08/24 -> こともなし
08/25 -> 玄侑宗久『なりゆきを生きる』 / ウェンディ・ブラウン『いかにして民主主義は失われていくのか』
08/26 -> 加藤典洋『テクストから遠く離れて』
08/27 -> 坪内祐三『考える人』
08/28 -> こともなし
08/29 -> 藤原彰『餓死(うえじに)した英霊たち』
08/30 -> こともなし
08/31 -> こともなし
9月
09/01 -> こともなし
09/02 -> 母入院
09/03 -> 母手術
09/04 -> 高橋英夫『濃密な夜』
09/05 -> こともなし
09/06 -> こともなし
09/07 -> こともなし
09/08 -> アイドルと物語
09/09 -> こともなし
09/10 -> こともなし
09/11 -> こともなし
09/12 -> 管理社会と「共助」 / 河合隼雄『人の心がつくりだすもの』
09/13 -> こともなし
09/14 -> こともなし
09/15 -> 澁澤龍彦編『石川淳随筆集』
09/16 -> 内田隆三『ミシェル・フーコー』
09/17 -> ドリアン助川『線量計と奥の細道』 / マスコミと権力批判
09/18 -> 斎藤美奈子『学校が教えないほんとうの政治の話』
09/19 -> ヘイト、深沢七郎的単純さ
09/20 -> こともなし
09/21 -> 現実世界 < フィクション総体の世界
09/22 -> 宇野重規『保守主義とは何か』
09/23 -> 母退院
09/24 -> こともなし
09/25 -> こともなし
09/26 -> こともなし
09/27 -> 「青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない」(アニメ版)
09/28 -> モーパッサン『オルラ/オリーブ園』
09/29 -> ジム・フジーリ『ペット・サウンズ』 / 大地あるいは「母性」の死
09/30 -> こともなし
10月
10/01 -> こともなし
10/02 -> 冷笑系の学者たち
10/03 -> 宇野重規『未来をはじめる』 / 最果タヒ『空が分裂する』
10/04 -> こともなし
10/05 -> こともなし
10/06 -> S.K.ランガー『シンボルの哲学』 / 平等=自分は他者と交換可能
10/07 -> こともなし
10/08 -> 宇野重規『トクヴィル』
10/09 -> こともなし
10/10 -> 人工世界を「カイゼン」していく日本のアニメ / 川端康雄『ジョージ・オーウェル』
10/11 -> こともなし
10/12 -> iPad mini Wi-Fi 64GB 落掌
10/13 -> こともなし
10/14 -> 武満徹著作集落掌
10/15 -> こともなし
10/16 -> 小澤征爾&村上春樹『小澤征爾さんと、音楽について話をする』
10/17 -> こともなし
10/18 -> こともなし
10/19 -> こともなし
10/20 -> こともなし
10/21 -> シュ・シャオメイ『永遠のピアノ』
10/22 -> Ruby 遊び
10/23 -> こともなし
10/24 -> ノストラダムス本について
10/25 -> マッカラーズ『心は孤独な狩人』
10/26 -> サミュエル・ベケット『モロイ』
10/27 -> こともなし
10/28 -> 『村上春樹、河合隼雄に会いにいく』
10/29 -> こともなし
10/30 -> こともなし
10/31 -> こともなし
11月
11/01 -> メルロ=ポンティ『精選 シーニュ』
11/02 -> こともなし
11/03 -> 濱口桂一郎&海老原嗣生『働き方改革の世界史』
11/04 -> こともなし
11/05 -> 玄侑宗久『光の山』
11/06 -> 保守の「保守主義」化
11/07 -> こともなし
11/08 -> ジョージ・オーウェル『あなたと原爆』
11/09 -> こともなし
11/10 -> 佐々木孝『原発禍を生きる』 / 反レイシズムの行き着く先
11/11 -> こともなし
11/12 -> オルテガ・イ・ガセット『大衆の反逆』
11/13 -> 西田哲学についてのつぶやき、モナドについて / 『西田幾多郎講演集』
11/14 -> こともなし
11/15 -> こともなし
11/16 -> こともなし
11/17 -> 小池澄夫&瀬口昌久『ルクレティウス「事物の本性について」――愉しや、嵐の海に』
11/18 -> こともなし
11/19 -> 仕事に関する矛盾した一命題
11/20 -> こともなし
11/21 -> 『新村出随筆集』
11/22 -> こともなし
11/23 -> こともなし
11/24 -> 白洲正子&河合隼雄『縁は異なもの』
11/25 -> デモクラシーの多忙、アトム化した我々
11/26 -> こともなし
11/27 -> こともなし
11/28 -> こともなし
11/29 -> 『舘野泉の生きる力』
11/30 -> 蟹江憲史『SDGs』
12月
12/01 -> 武満徹を読む / (西洋的)自我素描、「哲学」とは何か / 鷲田清一『メルロ=ポンティ』
12/02 -> 仕事に関する矛盾した一命題、再考
12/03 -> 仕事に関する矛盾した一命題、三考 / 岐阜県美術館で「岸田劉生展」
12/04 -> こともなし
12/05 -> Ruby 遊び
12/06 -> 國分功一郎『はじめてのスピノザ』
12/07 -> こともなし
12/08 -> 町内に道路が通る
12/09 -> 大岡信『詩人・菅原道真』
12/10 -> フィクションと感情移入について、少し
12/11 -> こともなし
12/12 -> 論理の解体と文明
12/13 -> ジョージ・オーウェル『ウィガン波止場への道』
12/14 -> Ruby 遊び
12/15 -> こともなし
12/16 -> こともなし
12/17 -> 武満徹「音、沈黙と測りあえるほどに」
12/18 -> 鈴木大拙『禅百題』
12/19 -> 武満徹と世界の「大きさ」
12/20 -> こともなし
12/21 -> NHKスペシャル「ある、ひきこもりの死」
12/22 -> 榎本渉『僧侶と海商たちの東シナ海』
12/23 -> こともなし
12/24 -> こともなし
12/25 -> こともなし
12/26 -> こともなし
12/27 -> こともなし
12/28 -> 四方田犬彦『愚行の賦』
12/29 -> 中沢新一&内田樹『日本の文脈』
12/30 -> 中野雄『ベートーヴェン』

 
ちなみに、上を生成した Ruby コードはこんな具合。

require "nokogiri"
require "open-uri"

def get_page(url, titles = [])
  body = Nokogiri::HTML.parse(URI.open(url))
  sleep(1)
  titles = body.css("a.entry-title-link").map {|node|
    date = node.attribute("href").value.split("/")[-3..-2].join("/")
    [date, node.text]
  }.reverse + titles
  pager_node = body.css("div.pager span.pager-next a")&.at(0)
  if pager_node&.text&.strip == "次のページ"
    get_page(pager_node.attribute("href").value, titles)
  else
    titles
  end
end

(1..12).each do |month|
  url = "http://obelisk2.hatenablog.com/archive/2020/#{month}"
  puts "#{month}"
  puts get_page(url).map { |date, title| "#{date} -> #{title}" }
end

意外と短いでしょ?


さて、今年はまずはコロナ禍の年であり、家族的には老母の四度の入院と手術の年であったが、前者はあまりにも公的で、後者はプライベートな話なので措こう。そう、自分の精神については、今年は多少なりとも前進した実感がある。が、これは自分でそう思っているだけかも知れないし、一方で本を読まなくなった(読めなくなった)のは老化かも知れない。今年は何冊読んだかなというので、上のコードを多少改変して Ruby に数えさせてみた。

 1月  12冊
 2月   5冊
 3月   9冊
 4月   5冊
 5月  13冊
 6月  13冊
 7月  12冊
 8月  15冊
 9月   9冊
10月  10冊
11月  12冊
12月   9冊

合計 124冊

ちなみにコードはこんな具合(改変したところだけ)。

total = 0
(1..12).each do |month|
  url = "http://obelisk2.hatenablog.com/archive/2020/#{month}"
  print "%2d月 " % month
  c = get_page(url).sum {|date, title| title.count("") }
  puts "%3d冊" % c
  total += c
end
puts "\n合計 #{total}"

同じコードで2019年を数えさせてみると210冊、2018年は226冊なので、今年になって急減していることがわかる。

冊数だけでない、記憶に残った本もあまりなかった。個人的には武満さん関連の本が印象的だった。対談集2冊を読んだし、『武満徹著作集』全五巻を古書で購入したりしたが、何と言っても立花隆武満徹・音楽創造への旅』がすばらしい本だった。個人的に、立花隆氏の印象が一変してしまった本でもある。大著であり読むのは大変だが、武満さんに興味のある方にはお勧めできるものだ。

武満徹・音楽創造への旅

武満徹・音楽創造への旅

  • 作者:立花 隆
  • 発売日: 2016/02/20
  • メディア: 単行本
 
音楽関係では、シュ・シャオメイの『永遠のピアノ』もよかった。シュ・シャオメイは中国人で、若くして「文化大革命」に巻き込まれたピアニストであり、そこからバッハの演奏家として世界的に認められるまでの自伝である。NML(Naxos Music Library)で彼女のピアノを聴きもした。現代でもこのような真摯な演奏家が存在するのかという感を覚える。 
オーウェルについては、川端康雄『ジョージ・オーウェル』を読んで読みたくなり、『あなたと原爆』を読んで、その極めて静かな声で語られる政治的言説に驚嘆した。『ウィガン波止場への道』も感心したし、まだまだオーウェルは読んでみたい。 

それから、今年は思うところあってアニメを少し意識的に見てみた。「ソードアート・オンライン」は第二期も含めて見たし、シリーズはこれからも娯楽として見るだろう。「魔法少女まどか☆マギカ」や「エヴァンゲリオン」劇場版は、「古典」を見ておこうという感じ。個人的にいちばん印象的だったのは、「青春ブタ野郎」のシリーズで、特に劇場版はその展開がトラウマになるくらいのインパクトだった。すごく繊細なアニメだったと思う。