曇。
座敷の畳を新しく替えて、昨日業者の人がその畳をもってきたので、箪笥を元通りに置き直したりする。
NML で音楽を聴く。■ショパンのスケルツォ第一番 op.20 で、ピアノはマウリツィオ・ポリーニ(NML、CD)。1990年の録音。これまで CD でどれだけ聴いてきたかわからない。中間部を聴きながら、アルゲリッチのポリーニ追悼文を思い出したりして、少し泣けてきた。尊敬するピアニストだと、アルゲリッチはいっていたと思う。非常に高いところからすっくと axis mundi を地下まで通した、稀有の演奏。いま聴くと、意外とリラックスすらしてポリーニは弾いているかな、と思う。「最後のピアニスト」(浅田彰)による、現代ピアニズムの最高峰だろう。
■ショパンのスケルツォ第二番 op.31、第三番 op.39、第四番 op.54 で、ピアノはマウリツィオ・ポリーニ(NML、CD)。朝から頭の中で流れている音楽、スケルツォ第四番の中間部だった。
シクラメン。11.7 に撮ったもの。
昼。
NHK「キャッチ!世界のトップニュース」の @nyc のレポーター、マイケル・マカティアさんによるとさすがのニューヨーカーたちも、次期トランプ政権の国防長官として右派テレビニュースのニュースキャスターが選ばれたのには絶句しているそうである。しかし、大統領選の結果について、民主党支持の多いニューヨーカーの間では、アメリカ国民の「民主党嫌い」を反省する雰囲気が強いようだ。日本でも「リベラル嫌い」が強くなってきているし、同じなんだなと思う。
■リストのピアノ・ソナタ ロ短調で、ピアノはマウリツィオ・ポリーニ(NML)。1989年の録音。リアルタイムで CD を購入し、これまで何度も聴いてきたもの。でも、随分とひさしぶりに聴いて、そして圧倒された。完璧な「ピアノ・ソナタ ロ短調」で、悪魔的ですらある。わたしのごとき無知な田舎者がいうのは恥ずかしいのだが、この演奏は音楽に留まらず、あらゆるジャンルにおいて、モダニズムの最高傑作のひとつといえるかも知れない。
このあたりがポリーニ、いやモダニズムの頂点で、1992年録音のドビュッシーの練習曲集では、もはや崩壊し始めている。ポリーニは、精神の変調に苦しむようになり、それなりに聴かせる録音が出なかったわけではないが、かつてのピアニズムが戻ることはなかった。そんな風に、わたしは考えている。
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ミスタードーナツ イオンモール各務原ショップ。エンゼルフレンチ+ブレンドコーヒー473円。
青柳いづみこ『パリの音楽サロン』(2023)読了。承前。本書は後半、話題が二十世紀音楽(ドビュッシーやラヴェルのあと)に入ってからが本領だ。じつに知らないことばかりで我ながら自分の無知に呆れながらだが、楽しく読んだ。最後はマン・レイ(音楽家ではないが)で締められる。わたしは音楽の趣味がきわめて田舎くさいので、これまでサティをほとんど聴いてこなかったが、サティはほんとに重要なんだなと思わされた。
本書は近年になく、「文化的」な香りの高いもので、すっかり満足した。さすがは青柳いづみこさん。若い頃は、こういう楽しい読書がたくさんあったものだが。
また、都市の「文化的創造性」みたいなことも考えさせられた。いまの日本文化は創造性がきわめて低くなっているように(わたしには)思われるが、東京も「貧すれば鈍する」なのだろうか。わたしの住むような、「文化」というものの感じられない凡庸な田舎に逼塞していると、「田舎と文化」みたいなこともしばしば考えさせられる。ま、いずれにせよわたしごときにはどうしようもないことである。とにかく本書はおもしろかった。東京の人なんかには、お勧めしたい気がする。
■シュトックハウゼンのピアノ曲 V, IX, X で、ピアノはザビーネ・リープナー(NML、CD)。美しいシュトックハウゼン。これでようやくザビーネ・リープナーによるシュトックハウゼンを聴き終えた。
夜。
『アマガミSS plus』(2012)第13話(最終話)まで観る。2期完結、棚町薫、中多紗江、森島はるか篇+温泉回。いやー、後日譚としてはじつによかったな。こういうバカバカしいラブコメ、大好きだ。どれもよかったけれど、やっぱりメインヒロインっていわれる絢辻さんの回がいちばんよかったかな。しかし深夜アニメ、好きにやっている感があって、この頃のがいちばんおもしろい気がする。