ヤスパース『哲学』/遠藤誉『ネット大国中国』

晴。
ヤスパース『哲学』読了。

哲学 (中公クラシックス)

哲学 (中公クラシックス)

遠藤誉『ネット大国中国』読了。自分は現代中国についてよく知らないのだが、たまたま読んだ本書は面白かった。本書はITについての本などではなく、一種の現代中国論である。まず、中国の「網民」(ネット利用者)は四億五千万人もおり、既に日本の人口を遥かに越えているということ。そして彼らは、中国当局の執拗な管理に対し、決して屈しているわけではなく、当局の方が振り回されるほど力をつけてきているということ。そしてもうひとつは、「網民」の多くは三十代以下の若者たちであり、中国が豊かになった後に育ってきた世代で、権利意識を強くもっているということ。(そう、彼らの多くは日本の漫画やアニメで育ち、しかも一方で愛国的であって、反日で吹き上がったりもするのだ。)本書を読むと、これからの中国を考える上で、「網民」の存在は相当に大きな側面になっていくだろうと思われる。とりわけ中国の「民主化」において。それは中国国民にとっても、よいことなのではないか。
ネット大国中国――言論をめぐる攻防 (岩波新書)

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