海野弘『ココ・シャネルの星座』/斎藤環『キャラクター精神分析』

晴。
プール。アピタくまざわ書店が増床してリニューアル。これは有難い。
海野弘『ココ・シャネルの星座』読了。シャネルの生涯を、その周りにいた十二人の人々の視点から、物語風に描くという試みである。著者の思い入れのせいか、筆致が段々と感傷的になっていくのだが、まあ良しとしよう。

ココ・シャネルの星座 (中公文庫)

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斎藤環『キャラクター精神分析』読了。面白かったので、夜更かしして読み終えた。自分の「時代遅れ性」を確認する。「…同一性とは、実は『人間』にしか該当しない概念である。」(p.237)これ、本当ですか。自分の時代遅れ的認識だと、同一性はイデアであり、その把握は、人間の持つ基本的な能力のひとつだという気がするが。人間とはむしろ、固有名なのではないか。だからこそ、固有名の(「確率的」と形容してもよいが)喪失は、悲劇なのではないか。我々は日々「同一」でないのに、「同一」人物だと認識するのは、「同一」とは関係のないところに、それが担保されているからなのではないのか。
キャラクター精神分析 マンガ・文学・日本人(双書Zero)

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