福吉勝男『ヘーゲルに還る』

晴。寒い。
福吉勝男『ヘーゲルに還る』読了。有名な「理性的であるものこそ現実的であり、現実的であるものこそ理性的である」というテーゼが、まさしく「現実の」社会情勢によって、「筆を曲げて」この形に「後退」せしめられたものだというのが、意外だった。いちばん大もとの形は、「総じて憲法・国政はその[国民精神の]発展であるから、理性的であるものは生起しなければならない」という具合だった、というのである。これと比べるに、先のものは、確かに現実追認的になっている。