明日香壽川『グリーン・ニューディール』

晴。いい天気。

雪虫飛ぶ。

昼から県図書館。

ミスタードーナツ バロー市橋ショップ。フレンチクルーラーブレンドコーヒー396円。
図書館から借りてきた、明日香壽川『グリーン・ニューディール』読了。本書には驚かされた。気候変動問題は現在の世界的最重要課題であり、世界がこれを中心に大きく動いている「ガバニングアジェンダ」であるが、日本での雰囲気、「空気」というやつはまったくちがう。どうせそんな問題、大したもんじゃないだろってのが日本における「空気」ではないか。日本における理性的なインフルエンサーで、気候変動問題を最重要視する人をわたしはほとんど知らないのだが*1、これはわたしの無知なのだろうか。
 本書は気候変動問題について、日本における「絶望的な」状況の中で、理性的に啓蒙している新書本である。わたしは子供のいない後期中年であるから、正直いって未来がどうなろうが…ってところもないではないが、子供や孫がいる人は、この問題が放置できないものであることを知った方がよいと思う。スローガン的にいうなら、地球が壊れるタイムリミットはあと10年以内なのだ。
 国民の認識がそんなものであるから、経済的にも日本はますます遅れていく。例えば、太陽光発電において世界のトップシェアはいまや中国であり、その躍進によって世界の太陽光発電のコストはかつてに比べ圧倒的に安くなった。風力発電についても同様である。先進国や、途上国でも中国などは、気候変動問題に関する膨大な投資を既に行い始めている。「日本の経済? そんなものどうでもいいよ」という人もいるだろうが、わたしはとてもそんなに簡単に割り切れない。こんなことでいいのだろうかという、悲しさをどうしても感じてしまう。IT敗戦に続いて、環境敗戦も先に見えてきている。国家的自殺行為。
 我々は、やはり直近の未来の世代の生活を無視してはいけないのではないか。日本という国家は、日本の知識人たちは、どうしてそんなに非理性的で無責任なことができるのだろう?

*1:例えば定評ある山下ゆさんの新書批評ブログでも、本書はまだ取り上げられていない。気候変動問題はフェイクである、あるいはさほど重要ではない、ということなのであろうか。