BS1スペシャル「ワタシたちはガイジンじゃない!」

日曜日。曇。
夢。真っ暗な中、よくおばあさんとかが押している手押し車(何故かヘッドライトが付いている)を押しながら、裏山(?)に登る。てっぺんは多少開けていて、これも真っ暗な中、小学生くらいの女の子たちが何人も、分かれてあたりに腰掛けながら、何かをしている。わたしは彼女たちと関係がないらしい。そこからわたしはさらに奥へ行こうとしたらしいが、よく覚えていない。そこで目覚める。

下の甥っ子の勉強を見る。高校数学。
夕方、妹一家が迎えに来る。しばらく皆んなでお茶をしながら、談笑したのち帰る。ウチの畑で取れた野菜をたくさんもっていった。

夜。
録画しておいた、NHK BS1スペシャル「ワタシたちはガイジンじゃない!」を見る。宮藤官九郎の脚本による、イッセー尾形のひとり芝居。全4幕で、通して見ると、外国人労働者として日本で30年間働いてきた或る日系ブラジル人ロベルトの生涯が浮かび上がるようになっている。芝居の演じられた場所は名古屋の団地で、現在その住民の30%が外国人であり、彼ら彼女ら(の一部)がこの日の観客であった。
 最初のうちは「外国人あるある」という感じで笑いを取りながらの芝居だったが、途中からは泣いている観客が多かった。わたしも泣いた。偏見、差別、労働者としての使い捨てと、日本人のひどいところがよく描かれていた一方で、日本人ならばそうなるよねとわかるところもあり、お互いに文化のちがいを超えていくことのむずかしさが身に沁みた。特に、日系ブラジル人から日本人がどう見えるのか、というのは自分の想像を超えているところもあった。日本人=冷たいというのは、そうなんだという思いだった。ロベルトは最後2020年、仕事も家族も住む場所も失い、雪の降る中、ホームレスとしてベンチに座りながら病死する。これもまた、取材によって浮かび上がってきた事実に基づいているようであった。悲しくて心に残るお芝居でした。
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日系ブラジル人は祖国ブラジルでは日本人と呼ばれ、日本で暮せばガイジンと呼ばれる。でも、わたしたちはニンゲンなのだと。

なお、番組は芝居の間にルポルタージュが挟まっていて、芝居だけに集中すべきという意見も当然あるだろうが、わたしはよい試みだと思った。ルポルタージュの部分が、芝居をより深く見ることのできるような仕上がりになっていたと思う。

それにしても、リーマンショックのとき、日本政府が日本で働いている日系ブラジル人たちに対して、30万円を払ってブラジルへの帰国を促したというのは知らなかった。芝居にもあったが、まさに「手切れ金」である。たぶん、わざわざ30万円も支払ってやったのだから充分だろうと、官僚か政治家か知らないが、その程度の考えだったのだろうなと推測できる。半分騙すに近いような仕方で連れてきて、いらなくなったら使い捨てという感覚だ。その人たちにも人生があるのだという当たり前のことに、考えが及ばないのである。まったく驚かされる。そして、そのやり方がいまでも同じだという事実。恥ずかしい。