井筒俊彦訳『コーラン(下)』

曇。
音楽を聴く。■バッハ:フランス組曲第六番 BWV817(ルセ、参照)。■モーツァルト交響曲第三十五番 K.385 (カール・ベーム参照)。いわゆる「ハフナー」。素晴らしい。■ベートーヴェン交響曲第三番 op.55「英雄」 (ブリュッヘン、18世紀o.、参照)。この録音は初出時に買ってこれまで何度も聴いてきたものであるが、いつ聴いても素晴らしい。「エロイカ交響曲」はベートーヴェンのシンフォニーの中の最高傑作だと思うし、後期ピアノ・ソナタやいわゆる「ラズモフスキー」弦楽四重奏曲と並んで、ベートーヴェンの代表作のひとつであることは疑いない。ブリュッヘンの演奏は、その「エロイカ交響曲」の録音の中でも、もっとも古典的なものであろう。自分にとっては一生ものの録音になった。初めて聴いたのはたぶん高校生か大学生のときであろうが、その頃よりも今の方がわかって聴けていると思うし、今の方がもっといい演奏に聴こえる。ブリュッヘンは最初は天才的なリコーダー奏者として登場したのだが、自ら「18世紀オーケストラ」を設立し、指揮者として後世まで通用する立派な演奏をたくさん録音した。あまり「巨匠(マエストロ)」という呼び方をされなかったような気もするのだが、音楽作りはまさしく正統中の正統だったと思う。先年、惜しいことに 80歳寸前で亡くなられた。20世紀後半を代表する指揮者のひとりだったと思う。

井筒俊彦訳『コーラン(下)』読了。主に最初期の啓示を収録する。

コーラン 下 (岩波文庫 青 813-3)

コーラン 下 (岩波文庫 青 813-3)