羽海野チカ『3月のライオン8』/久保陽一『ドイツ観念論とは何か』/町田康『猫のあしおと』/エルガーの室内楽曲

曇。夕方から雨。
BOOK OFFとカルコス。
羽海野チカ3月のライオン8』読了。意外に将棋ばかりの展開になってきたが、これもまた素晴らしい。対局の描写がとても迫力があって、(陳腐な言い草ではあるが)人間ドラマが感動的。勝負が一段落したら、川本家のエピソードも進めて下さいな。ああ、マンガは面白いなあ。

3月のライオン 8 (ヤングアニマルコミックス)

3月のライオン 8 (ヤングアニマルコミックス)

久保陽一『ドイツ観念論とは何か』読了。原本は放送大学教材。町田康『猫のあしおと』読了。確かにものすごく感動させられる本なのだが、他人に薦めてよいかどうか、わからない。だって、著者の文筆家としての力がすごいので(と云っても淡々と書いているのだが)、愛猫が死ぬところが可哀想すぎるのだ。だいたい町田さんは死にそうな猫をどんどん引き取ってしまうので、大変。これはボランティアの人から預けられたのではない、友達のような感じで飼っていたゲンゾーが死ぬところなどは、涙なくしては読めない。死にかけているのを引き取った赤ちゃん猫のエルが奇跡的に生き延びるところなんかも、逆にホッとしてじわっとくるけれど。町田康の本の中では、この猫シリーズは最もノン・フィクションに近いように思われる。まあ、虚構だろうが、アホなインド風ラジオ体操なんかをやっていたりもするけれども。やはり、続巻が文庫化されたら、また買うのだろうな。
猫のあしあと (講談社文庫)

猫のあしあと (講談社文庫)


エルガー室内楽曲を聴く。まず、弦楽四重奏曲ホ短調op.83だが、どうも地味な音楽だ。ロマン派的で、作曲された時代(1918年)からすると、古くさい曲というしかない。ただ、ゴールドナー弦楽四重奏団は多少乱暴な演奏であり、もう少しデリカシーがあれば、またちがった印象になったかも知れない。
 ゴールドナーSQにピアーズ・レーンのピアノが加わったピアノ五重奏曲イ短調op.84は、これはピアニストのせいもあって、なかなか悪くない曲に聴こえる。これも典型的なロマン派の音楽で、緩徐楽章が特にいい感じだ。ここらあたりは一級品の音楽になっているので、こうなるとエルガーさすがだなという気分にさせられる。土くさくて、あまり洗練はされていなけれど。それから、併録された四曲のピアノ小品は、音楽としてさほど高い価値があるものとも思えなかったが、イージー・リスニングくらいの気持ちで聴けばいいと思う。
Piano Quintet String Quartet

Piano Quintet String Quartet