自分は今回の参議院選挙は木曜日に期日前投票を済ませていて、山本太郎の「れいわ新選組」に投票していた。なので、昨日夜はネットで開票速報を見たりツイッターを見たりしていて、ま、じつは Ruby の記事を読んでいる方が長かったりするのだが(笑)、ついに明け方になってしまい、いまこれを書いている次第である。山本太郎は過去の「放射能デマ」を全然反省していないことを知っていたので、支持するのは迷ったのだが、日本に初めて現れた「左派ポピュリスト」(例えば「ニューズウィーク」誌、参照)として可能性を感じたので一票を入れた。もちろん「ポピュリスト」とはふつうよい意味で使われる言葉ではないが、自分はこれについては少しだけお勉強したので、ポピュリストがたとえ政権に参加できなくても、政権与党の政策を変えてしまう効果をもつ可能性が高いことを知っていたから、もっぱらその意味で支持したのである。そして、それは既に始まっているといえるだろう。もちろん、「れいわ新選組」から重度身体障害者が二人も当選したことを指す。正直言って、例えば「バズフィード・ジャパン」のネット記事などは感動的であった。
https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/kokkai-handicapped
https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/funago-aisatsu
わたしは知らないが、こんなことを成し遂げている国が、世界に他にどれだけあるのだろうか。まあ世界はどうでもよいのだが、これは大変に大きな一歩である。山本太郎自身は当選できなかったが、現行制度になって以降の比例区最多得票を獲得し、今回の選挙の事実上の勝利者であろう。ネットを見ていて、それをつくづく感じた。将来、自分が山本太郎を支持するかはわからないが、おもしろいことになってきたとは強く思う。
雨。
昼から、ミスタードーナツ イオンモール各務原ショップ。フレンチクルーラー+ブレンドコーヒー378円。子供たちが夏休みに入ったらしい。フードコートに親子連れがたくさん来ていた。小熊英二氏新書の続きを読む。
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小熊英二『日本社会のしくみ』読了。副題「雇用・教育・福祉の歴史社会学」。とりあえず読み終えたが、内容が濃すぎて書くことが思いつかない。というか、端的にいって自分の中で未消化である。本書の内容について知りたい方は、このエントリにリンクしてある濱口先生のブログを見て頂くとよいし、また本書終章で著者自身によって内容が簡潔に要約してあるので、それを立ち読みしてもらってもよい。何の役にも立たないことを書くと、本書はこれまで記してきたように大変におもしろいものであったが、先に進むにつれて何だか暗澹たる気分になってきたのは否めない。その理由は不明である。著者はそういう言い方はしていないが、本書で 600ページをかけて解明してきた現行の「日本社会のしくみ」が、いまの時代にそぐわなくなってきている。いや、これは著者の言葉に語らせよう。「過去に達成された合意を、いちがいに否定することはできない。しかし一九八〇年代までとは、国際環境も技術水準も変わった。かつての社会契約は、社会を統合する機能を低下させている。この状態は、日本の社会意識の変容がみられ、新たな合意を形成する必要が生じていることを示している。」(p.568-569)これに対する著者の仮の処方箋は国家による再分配機能の強化であり、わたしも確かにそれが妥当であるという気がするが、最終的には国民の選択如何なのだと著者はいう。しかしわたしは根拠なく悲観的で、新たなルール(それがいかなるものであれ)の構築には多数の「犠牲者」たちの屍を乗り越えて行われるしかないと思われてしまう。わたしに著者が比較的楽観的に見えるのは、著者が現代日本における人間の変容に気づいていないからである。つまり、日本社会の暗黙のルールとなっている「慣習の束」は労働慣行によって形成されていると著者は発見したが、じつはそれが妥当するような時代は既に終りつつあるということだ。何か、生きるということが「労働」であった時代から、根底より変ってしまったのである。もちろん、労働しないと生きていけないことには何の変わりはないけれども。ああ、蛇足を書いてしまったが。
日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学 (講談社現代新書)
- 作者: 小熊英二
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2019/07/17
- メディア: 新書
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わたしは、日本=東京になりつつあるのを感じている。比喩的にいうと、すべての地方は滅びるであろう。