こともなし

晴。
寝坊して起こされる。

つけ麺「丸和」にて昼食。丸和つけ麺830円。大盛り 450 g 食ってやった。さすがにお腹いっぱい。
待ち時間に開高さんと weekly PB 編集長とのジョーク合戦みたいな対談本を読む。開高さん最晩年のもので、はなはだ元気がない。そういえば、作家がカンヅメになるどこやらの出版社御用達の旅館には、開高さんの幽霊が出ると何かで読んだことがある。開高さん、迷っておられるのだな。さもありなん、繊細な人だったから。

開高さんはいまでもよく読まれているように見える。ネットで検索してみても、たくさんのサイトがヒットする。当り前であると思う。

昼から病院で母の検査。病院は一月ぶりくらいか。検査はすぐに終了。結果は来週の診察でわかる。よい結果だといいな。
支払い待ちの間にネットで高校野球を見ていたら、地元の大垣日大が満塁ホームランで逆転。あらあらという感じ。僕はどちらかというとこんなに暑いのに野球などやらなくてもいいだろうというひねくれ派なのだが、こうなってうれしくないわけではないので矛盾している。

母の食事もあって珈琲工房ひぐち北一色店へ。僕はコーヒーゼリーブレンドコーヒー。ここ、250円でコーヒーのおかわりができるのか。ちょっと高いけれど、そのうち利用してみようか知らん。
医療器具販売店へ。

暑い。車の外は41℃とかわけのわからない数字が出ている。

マキャヴェッリを読む。

沖縄県の翁長知事が亡くなった。いろいろな思いがあるが、聞いた風なことを書く気がまったく起きない。ツイッターでは何が書かれているか予想がつくので、ツイッターを見る気も起こらない。このことと直接は関係ないが、いまの日本がアメリカに対して事実上主権をもっていないこと、また日本の政治家、官僚、財界人、知識人がなべてアメリカの提灯持ちになっているという現状は、自分にはよいことだとは到底思えない。そうであるがために、本土の人間は沖縄に対して矛盾を押し付ける(とでもいうしかない)ことになっている。ひどい話である。しかし自分もまた何もできていないのだ。

しかし自国に主権がないことを日本の右翼はどう思っているのだろうな。それでよく「愛国」とか言うわ。「非国民」たるパヨクの自分の方がどれだけ「愛国者」か知れない。どうでもいいが。


原民喜を読んでいるが、捗らない。特に彼が妻について書いている小説は、痛々しすぎて直視できない。だから、あまり言葉を意味作用させないよう、斜めから読んでいる。これが正しい読み方だとは思わないが、そうでもしないと読めない。
 「世界はこんなに美しいのに、どうして人生は暗いのか」という一文がたまたまあった。先日読んだ梯久美子さんは、たぶんここを読んでフランクル(だったっけ)を想起していたのだと思う。僕もフランクル(だとして)のそこは読んでいた。アウシュヴィッツで絶望的な強制労働に従事しつつ、赫い夕日の沈んでいく様があまりも荘厳であるのに対し、誰かが「なんて世界は美しいんだ…」とつぶやくというような場面だったと思う。たしか梯さんは、そこに救いを、人間性の発露を見ていたと覚えているが、じつは自分はまったく反対の受け止め方をしていた。自分がフランクルのそこを読んだとき、人間はあまりに荘厳で美しいものを見つつ、そしてそれを限りなく美しいと思いつつ、心が死に切っているということがあり得るのだと読んでいたのである。心が死に切っていても世界は美しいのだ。こんな「絶望」があるかと思ったのだ。さて、自分は自分が正しいのか知らない。おそらくは勝手な読みなのかも知れない。原民喜はどうだったのかと思う。