雨。
音楽を聴く。■モーツァルト:ピアノ・ソナタ第十番K.330(アンドレアス・シュタイアー、参照)。これは悪くないが、終楽章で音符を勝手に変えて演奏しているのは悪趣味。■ベルク:ピアノ・ソナタop.1、管弦楽のための三楽章op.6、ウェーベルン:ピアノのための変奏曲op.27、交響曲op.21(イヴォンヌ・ロリオ=メシアン、ハンス・ロスバウト、ブーレーズ、参照)。イヴォンヌ・ロリオのピアノがいい。
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中沢新一『僕の叔父さん 網野善彦』再読。何の気なしに読み返してみたのだが、驚くべき本だった。例えば、適当に抜き出してみる。「この話を聞いていて、私は網野さんが天皇権力の根源に、性的な原理を見出そうとしているのがわかった。吉本隆明も天皇制の構造の中に、あからさまな形での性的な原理を見出している。」「『性的である』とは、自然と直接的な接触をしている活動すべての中に見出される。貨幣の中にさえ、性的な原理が働いている。網野さんは『性的であること』を自然哲学の基本原理にすえようとした、まことに稀有な歴史家だったのだ。」(p.155)等々。
それにしても感動的な本だ。本書は中沢さんの義理の叔父である網野善彦氏が亡くなられた後に追悼として書かれたものだが、本書には根源的な深いレヴェルのものに否応なくドライブさせられている、デモーニッシュな人たちがたくさん出てくる。そして網野さんと中沢さんは、素晴らしい「オジ‐甥」関係の体現者だ。血筋というのは、やっぱりあるのかな。中沢さんは、中沢家の「トランセンデンタル」な気風が、網野史学の触媒になったところがあるようだと書いているが、確かにそんな気がする。こういうところからこそ、ラディカルなものが出てくるのかも知れない。
- 作者: 中沢新一
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2004/11/01
- メディア: 新書
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ちなみに、だいたいは Java について説明してあって、歴史的な Simula67 とか Smalltalk の語もよく出てくる。Ruby や C, C++, COBOL, Lisp, VB.NET なども頻出。ちなみに Perl, PHP, Python, JavaScript の語は一度も出てこない。ははあ、という感じ。
- 作者: 平澤章
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2011/04/07
- メディア: 単行本
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しかし、オランダはすごいな。九州くらいの面積なのに、農産物輸出額でアメリカに次ぐ世界第二位だとは(2009年)。農業技術もロジスティクスも徹底してIT化され、情報産業化されているとは。日本も技術的にこういうことが出来ないのかね。出来ないのなら、それはどうしてなのか。日本の農産物輸出額は世界で第五三位ですよ(2009年)。なんですか、それは。それのどこに希望があるのか。農業従事者の年齢は上がり、総数は少なくなるばかりで。いや、悲観的ことばかり書いて御免なさい。でも、これって本書に書いてあるのですけれども。
- 作者: 大泉一貫
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2014/07/18
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