晴。
カルコス。
多田等観『チベット滞在記』読了。多田は大正時代に、学僧としてチベットに十年ほど滞在した人物で、帰国時に、日本に大量の仏教文献を持ち帰っている。本書にも度々あるが、ダライ・ラマ十三世と親密な関係があり、ラサでは色々と便宜を図ってもらっている。恐らく、学問的にチベット仏教を研究した、濫觴に当るのではないか。本書は、牧野文子による聞書きをまとめたもので、身の丈のことが書いてあり、記述が具体的で生き生きとしていて、面白い読み物になっている。河口慧海と比べてみるのも、また興味深いのではないか。
- 作者: 多田等観,牧野文子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/05/11
- メディア: 文庫
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