オーウェル の検索結果:

ジョージ・オーウェル『水晶の精神』

…りてきた、ジョージ・オーウェル『水晶の精神』読了。エッセイ集。オーウェルは政治的な人であり、わたしは別に政治的人間ではないが、それにしても驚かされる。いまは我々のような一般人がなべて政治的な意見を持たざるを得ない時代であるが、特にいまのような時代こそ、オーウェルのような曇りない、柔軟な精神が参考になる。オーウェルほど、党派的な偏狭から遠い政治的な人間は、いまにあっても稀である。また、オーウェルはいまの知識人によくあるような、シニックな冷笑的態度も取らない。わたしは知識人でない…

こともなし

…ち北一色店。引き続きオーウェルのエッセイ集を読む。「ほとんどの人間が自分の生活を相当楽しんではいるが、しかし差引勘定をすれば、人生は苦しみである。そう思わないのは、よほど若い人間か、よほど馬鹿な人間である。」(p.193)「これらの[シェイクスピアの]劇はすべて、人生は悲哀に満ちてはいるが、なお生きるに値する、また人間は気高い動物なのだという――これはトルストイが老年には持てなくなっていた信念なのだが――人間主義(ヒューマニズム)の前提から出発している。」(p.192)オーウ…

こともなし

…工房ひぐち北一色店。オーウェルのエッセイ集を読む。知識人の「進歩的に見られたい」という欲望が人に如何に自分が思ってもいない惰性的発言をさせるかということをオーウェルは繰り返し指摘するけれども、いまのPCも同じことだと思う。ただそれは、もはや知識人に限ったことではないのだ。いまは「進歩的」たることを表明することを強要される時代といってもいいかも知れない。厄介な話である。ローソン岐阜北一色店に車を駐めて、散歩。駐車料金は「マルナカ コクノアルレアチーズケーキ」3個300円。以下平…

岐阜県美術館で「ロートレックとその時代」展

…「お勉強」不足ということであろう。ミスタードーナツ バロー市橋ショップ。クリームイン・マフィン アップルシナモン+ブレンドコーヒー495円。オーウェルのエッセイ集を読み始める。平凡社ライブラリーの『水晶の精神』。わたしにはオーウェルは驚くべき人である。如何にして政治的偏狭、「信念」によって硬直化することから逃れるかということ。時雨れる。夜。 『犬夜叉』第8巻まで読む。犬夜叉 (4) (少年サンデーコミックス)作者:高橋 留美子発売日: 1997/12/10メディア: コミック

こともなし

…て象徴的な感じ。そのあと、名古屋(といっても架空の町)の黒く油に塗れた工場が印象的だった。午前中、ぼーっとしていた。ビット操作メソッド三題(Ruby) - Qiita ちょっと思いつきで。昼から県図書館。鴎外、オーウェル他、ひさしぶりにプログラミングの本も借りる。 おじいが何だか知らないが司書に怒鳴りまくっていて、いたたまれない感じだった。帰りに肉屋へ寄っていく筈だったのに、ぼーっとして忘れていた。終わってるな。Linux Mint を 20.1 にアップグレードする。早寝。

生を言葉で飾り立てるのを止めよ

…は、庶民なら誰でも知っている」とオーウェルは言った。わたしはこれもまた真実だと思う。生が苦痛であっても。仮に庶民がそう思えなくなっているとすれば、何かひどくおかしなことになっている。わたしは思うが、あんまり生を言葉で飾り立てるのを止めよ。だらしなく、テキトーに生きてりゃいいんだよ、我々は。そして、所与の(つまり、我々に否応なく与えられるしかない)世界を関係性において豊かにせよ。あるいは、所与の世界を関係性において貧困化するな。エリートの考えるべきはそれだろ、えらい先生がたよ。

2020年極私的回顧

…川端康雄『ジョージ・オーウェル』 10/11 -> こともなし 10/12 -> iPad mini Wi-Fi 64GB 落掌 10/13 -> こともなし 10/14 -> 武満徹著作集落掌 10/15 -> こともなし 10/16 -> 小澤征爾&村上春樹『小澤征爾さんと、音楽について話をする』 10/17 -> こともなし 10/18 -> こともなし 10/19 -> こともなし 10/20 -> こともなし 10/21 -> シュ・シャオメイ『永遠のピアノ』 10…

ジョージ・オーウェル『ウィガン波止場への道』

…りてきた、ジョージ・オーウェル『ウィガン波止場への道』読了。いま頭がふやけていて適切な言葉が浮かんでこないが、とにかく感銘を受けた。第一部の炭鉱労働者などのルポルタージュも、第二部の社会主義に関する考察も、いまでも読むに値するとわたしは思った。オーウェルの提示する事実や考察自体もだが、彼の「考える仕方」が特にすばらしい。大づかみに事実を捉え、大切なところを決して外さない、ごまかさない。自分を棚に上げず、自分の偏見と特性を徹底して抉り出す。結局、大したものをもたない人間でも、自…

ジョージ・オーウェル『あなたと原爆』

…工房ひぐち北一色店。オーウェル評論集の続き。「ナショナリズム覚え書き」「イギリスにおける反ユダヤ主義」を読む。オーウェル、ほんと何者なんだ。オーウェルはここで狂信、偏見、差別、偽善等々を徹底して解体してみせるが、どうしてそんなことが可能だったのか。心底驚嘆する。オーウェルは自分のことをまったく語っていないが、狂信、偏見、差別、偽善は、もともと彼の中にあったものにちがいない。オーウェルは、まさに隗より始めたのである。この徹底ぶりは、そうとしかわたしには思えないのだ。オーウェルの…

こともなし

…ぐち北一色店。新訳のオーウェル評論集の続き。また深い感銘。「スペイン内戦回顧」などは、わたしのバカみたいにナイーブなところだが、誇張でなく涙を抑えるのに苦労した。しかし、どれを読んでも至るところで心にぐさぐさ刺さってくるというのは、どういうものなのだろうか。わたしはかつては文字は読めていたが、オーウェルの行間が読めていなかったのだ。開高健がオーウェルの「正直」をいったことを覚えているが(たぶんそれはわたしが覚えているだけで、実際には開高はもっと複雑なことを書いていたにちがいな…

こともなし

…429円。ジョージ・オーウェル『あなたと原爆』を読み始める。エッセイ集で、どれも心震えた。100ページくらい読んでいくつもりだったが、「象を撃つ」までの六篇で止めておいた。オーウェルのエッセイは、先日少し書いたように学生の時に多少読んでいて、それなりに中身は読めたと思うのだが、この歳にして再読してみて、オーウェルのような人は滅多にいない、いまの日本にもまずはいない、ということだけは、かつてはわかっていなかったなと思った。いまの日本にも、オーウェルより深い知識をもっている人はた…

人工世界を「カイゼン」していく日本のアニメ / 川端康雄『ジョージ・オーウェル』

…波新書の『ジョージ・オーウェル』(川端康雄著)を読み始める。オーウェルの評伝。第六章まで読んだ。感銘を受ける。少しの涙なしには読めない。 オーウェルは学生のときに多少読んだ。たぶん開高健経由であり、本書を読んでいて「正直オーウェル」とか、開高の文章が浮かんできて仕方がなかった。本書でも活写されているが、オーウェルというのは複雑な人である。徹底的に考える人は(逆説的なことに?)しばしば矛盾に引き裂かれたりするが、その複雑さが却って正直さとシンプルさに帰結することがある。わたしに…

ザミャーチン『われら』

…て読みやすいのかも。オーウェルの『1984』とかハックスリの『すばらしい新世界』と並ぶディストピア小説の傑作とされているが、いまは現実世界がディストピア小説化してきているので、ふつうに読めてしまうところが現在だなあと思う。SF でもマンガでもアニメでも、もはや「ディストピア小説」的なものはめずらしくもあるまいし、それらのコンテンツの作り手自体、現状をそれほど深刻に受け留めてもいないような気がする。そして、その「ディストピア小説」的な世界が現実では粛々と進行していくと。我々は本…

こともなし

…。これはおもしろい。オーウェルが発見したロシアのディストピア小説とのことである。いまでいえば SF のジャンルに入れてもよいであろう。自分は現在が、高度に知的な人物が SF を好んで読むという意味で「SFの時代」であると思っているが、本書は現代に適合的であるともいえようか。ちなみに、わたしは現在では反SF的であるかも知れない。高校生の頃は、SF ばかり読んでいたのですけれどね。 ■ツェルニーの「ウィーンのワルツによる変奏曲 『あこがれのワルツ』」 op.12、アルフレート・グ…

スティーヴン・ミルハウザー『ある夢想者の肖像』

…ないのであろうか。 オーウェルの「1984」は正確だった。極度の管理社会が既に実現しようとしている。何も考えない者は、何も気づかない。そういうように、うまく出来ている。しかし、管理する積極的な主体はない。安倍首相が管理するわけではなく、彼もまた無意識にそれに関与しているにすぎない。今の官僚のあり方は、それを考える上でかなり参考になる。官僚たちは官僚支配に向けてすべて同じ方向を向いているが、積極的な統率者は存在しない。しかしそれは、あるクラスの利益になるようになっている。 無意…

安部悦生『ケンブリッジのカレッジ・ライフ』

…心が最初に隷従する。オーウェルの描いたアンチ・ユートピアは、彼が予想したよりも遥かに洗練された形で、既に実現されつつあるのだ。国家と市場は、必ず対になって存在する。我々は、ある意味で市場を通して支配されていると云える。単なるアナーキズムは、これを破壊できない。幼稚なラッダイトは、国家のよく知るところであり、国家はむしろそれを利用すらする。他方で、市場原理主義者は、一見国家に反するようで、じつは消極的な国家の友である。プラグマティックな市場原理主義者(という言い方は矛盾のように…

開高健訳のオーウェル『動物農場』/『ボルヘス・エッセイ集』

…る。 # ジョージ・オーウェル『動物農場』読了。開高健訳。本書はオーウェルの本であると同時に、開高健の本でもあろう。『動物農場』はかつて誰かの訳で読んでいたが、印象としては、昔読んだのと変らなかった。ただ、開高健の翻訳であるから、何度も読み返すに足る文章になっている。併録された開高のエッセイの中でも、この『動物農場』は最高度の賛辞を受けている。自分もそれに異論はない。 個人的なことを云えば、自分が若い頃、開高健に熱中したのは正しかったと再確認した。彼に比べれば、現代日本の小説…

佐々木俊尚『レイヤー化する世界』

…描き出す世界は、結局オーウェル的な管理社会、いや、ミクロ権力によるディストピアではないのか。そして、この社会はこの社会で、必ずそれに対する不適応者を生み出すだろう。手放しでバンザイと云える世界が来るとは、なかなか思えないのだが。まあ著者も、そのように主張しているわけではないだろうな。それから、何度も書くが、インターネットによって全世界が「英語化」されるのは、自分はまっぴら御免である。国民国家の解体は、英語以外の「国語」の解体をも意味する可能性が高い。レイヤー化する世界 テクノ…

山田稔『特別な一日』/穂村弘『短歌の友人』

…手である。特に「わがオーウェル」には感銘を受けた。自分もかつて、初めは語学の勉強のつもりで集中的にオーウェルを読んだことがあるので、それをつらつら思い出した。政治的なことを書きながら、水晶のような透明な散文だった。開高健が「正直オーウェル」と評していたことが思い出される。 と書いたら、じつは本書は前にも読んでいたのだ。山田稔的展開である。感動しているところも一緒。そして、前書いた感想のほうが出来がいいんじゃね。特別な一日―読書漫録 (平凡社ライブラリー)作者: 山田稔出版社/…

山田稔『特別な一日』

…っと異質だが、「わがオーウェル」には心動かされた。山田稔がオーウェルに感動していたとは。オーウェルは自分が学生のとき、英語で読んで感銘を受けた数少ない作家のひとりであり、それもあって、山田の文章に感情移入して読んだのである。オーウェルを読んだ時、自分はその「恐るべき正直さ」とでもいうものに驚かされたのであり、政治的な部分にはほとんど引っ掛かっていなかったのだが、山田稔はと云えば、氏にも政治の季節があったとはまったく意外であった。 それはそれとして、本書の文章は、言うまでもない…

「都条例」とファシズム

…たことは大袈裟だという人はいるだろうが、失礼ながら、そういう人は何もわかっていなのである。既にもうひどいことになってきているところに、火に油を注いだというのが、本当なのだ。オーウェルを読んでみてほしい。『1984』は現実化しつつある。 一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)作者: ジョージ・オーウェル,高橋和久出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2009/07/18メディア: ペーパーバック購入: 38人 クリック: 329回この商品を含むブログ (350件) を見る