こともなし

晴。
毎朝早くから蝉時雨。これとカワトンボの存在が、生き物によるわたしの「夏」という感覚だ。
 
 
いま、いちばんおもしろく観ているテレビ番組は、NHK BS の「キャッチ!世界のトップニュース」だ。といっても特別に観ているわけでなく、昼ごはんを食べながら 11:30~11:45 の15分間くらいを何となく眺めているだけなのだが、いろいろと細かく神経が払われており、キャスターのレヴェルも高くて、観ていて心がシャキッとする感じ。内容は世界のニュース番組の抜粋にすぎない、といえばそうなのだが、アメリカの話題をスペインのニュースで、インドの話題をシンガポールのニュースでという風の選択であったり、また、日本ではあまり報道されないような内容のものがほとんどである。やはり、日本の報道は「世界標準」からちょっとズレているのが、何となくわかる(いちばん思うのは、気候変動問題に関するそれだ)。「特集」というのも興味深く、NHKの海外スタッフも、こんな取材ができているのだなあと、ちょっと見直したり。
 今日は月一の、国際政治学者の藤原帰一さんが映画を紹介するコーナーがあって、「戦争と女の顔」と、中村哲さんのドキュメンタリー映画の二本が選ばれていた。どちらもおもしろそうなのだが、たぶん岐阜では観られない予想。(追記。前者はそのうち岐阜でも観られるようだ。)「戦争と女の顔」は、スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチの『戦争は女の顔をしていない』(ブログ検索)から影響を受けたというロシア映画。監督はウクライナ戦争を非難し、いまは海外にいるという。
 

 
おれは、いちいち頭を使わなくてはいけないことを、できるだけ自動化したい。 | Books&Apps
紋切り型の批判になるけれど、これは盾の一面にすぎない。理想は、無意識に意識を保つ、とでもいうか。ここでいわれている「自動化」は生の放棄だし、また「意識する」のは不自由だ。またまた紋切り型だけれど、完全な決定論と完全な自由は心において両立しなければならない。
 何か簡単なことをすることすら苦痛だ、そういう人間には「心の信号機」が必要で、プロセスは多く「自動化」されねばならない、と著者はいうが、著者がささいなことについても中身のある、よい文章が書けるのは、そういう何事にも苦労するしかないという個性が、もしかしたら役に立っているのかも知れないと、わたしは思うのである、イジワルでなく、ほんとに。
 
 
webちくまの記事を読んで、先日買わなかった『ポストモダニティの条件』(ちくま学芸文庫)をやはり買っておこうと、カルコスへ。ついでに、これも webちくまで「はじめに」が公開されていて興味をもった、ちくま新書の『国際報道を問いなおす』を購入。棚を見ていたら、岩波文庫新刊にウォーラーステインが入ったのを知ったので、これも。あとは、新書本新刊3冊で、岩波新書の松長有慶『空海』と岡本隆司曾国藩』、中公新書の『縄文人弥生人』など、今日は興味深いものが買えたな。新書本は、やっぱり本屋へ行かないとなかなか買えない。