『山岡鉄舟先生正伝 おれの師匠』

まだ暗い中、目覚める。自分のあまり得意でない語学関連の領域を脳が勝手に掘り返しているので、そのまま保ちながらうとうとし続ける。次第に窓の外が明るみ始める。
 再びうとうとする。部屋中に青虫や、しゃくとり虫みたいなのが這いづくっている夢を見る。真っ青な蛍光色の虫とかもいた。げ、気持ちわると思い、手で掴んでゴミ箱に放り込んでいたが、そのうち、そんな必要はないのだと気づいて目が覚める。気持ち悪いといえば気持ち悪い夢だが、そんなに悪いものではない。虫たちは、時間が経てば蝶などに変態するかも知れないしな。

雨。
母検査。肉屋。

NML で音楽を聴く。■武満徹の「雨の樹 素描」「雨の樹 素描II」「子供のためのピアノ小品」「リタニ」で、ピアノは福間洸太朗(NMLCD)。ピアニストは当時弱冠23歳だそうだが、勉強になった。現代日本(例えばアニメの領域)的にスケールの大きな演奏だと思う。こういう武満さんはアリだ。■ベートーヴェン弦楽四重奏曲第二番 op.18-2 で、演奏はクァルテット・エクセルシオNMLCD)。日本のすばらしいカルテット。■モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第三番 K.216 で、ヴァイオリンはセバスチャン・ボーレン、指揮はガボール・タカーチ=ナジ、チャーツ・チェンバー・アーティスツ(NML)。

ブラームスピアノ三重奏曲第三番 op.101 で、演奏はファイニンガー・トリオ(NML)。ブリテンの「オウィディウスによる六つのメタモルフォーゼ」 op.49 で、オーボエはブリンヤル・ホフ(NML)。シューマンの「三つのロマンス」 op.94、フランツ・ライゼンシュタイン(1911-1968)のオーボエソナタ op.11 で、オーボエはブリンヤル・ホフ、ピアノはコーレ・エルヌング(NML)。シューマンが絶品。ライゼンシュタインという作曲家は知らない。大した曲とも思えないが、楽器がよく鳴って悪くない。モーツァルトを演奏するには射程が足りないので聴かなかった。

夜。
小倉鉄樹炉話、石津寛・牛山栄治手記『山岡鉄舟先生正伝 おれの師匠』読了。痛快極まりなき書。それにしても、幕末・明治の世には立派な人物がたくさんいたもんだ。わたしも及びもつかぬながら、少しは鉄舟の爪の垢でも煎じて飲みたいものである。だらしのないながら、一生精進していきたい。

しんみりもしたし、ところどころで爆笑もさせられた。最近読んだ本ではいちばんの快著。