こともなし

曇。

昼からひさしぶりに県営プール。

書かでものことを書くが。
福島第一原発放射性物質汚染水の海洋放出に関して、リベラルっぽい人にほど事実誤認があるのは、左翼として残念だ。トリチウム汚染水の海洋放出については、自然科学的には問題はない。トリチウム汚染水は原子力発電の際にも必ず出てくるもので、例えば韓国であろうがフランスであろうが、今回海洋放出が決定された福島の汚染水よりも高濃度なトリチウム汚染水が、既に大量に海洋放出されているし、され続けている。トリチウム(正確には水に組み込まれたトリチウム水)自体は海水に一定濃度含まれているもので、バックグラウンド・レヴェルを考えれば、福島の汚染水が「安全」であることが合理的な判断であることは(少なくともわたしは)疑いにくい。IAEA国際原子力機関)も、科学的に問題ない旨の声明を発表している。
 そして、福島の汚染水はもはや地上に溜めておく場所がない。
 以上のことは、海洋放出に反対している福島の漁業者たちもじつは認めていることである。では、どうして反対するのか。それは、科学的に正しくない思い込みによって、風評被害が避けられないからだ。トリチウム汚染水は危険だ→汚染水が海洋放出された福島の魚は食べないぞ、こういう風評被害が程度はわからないが必ず起きる。それをなるたけ抑えるために、政府はできるだけのことをすべきだし、国民も科学的な知識をもって福島の農業・漁業生産物を「差別」しないように努める義務がある。
 最初にも書いたが、マジメな人ほどわたしは、この問題に関しては科学的・合理的にふるまってほしいと願っている。そうでないと、マジメな人が信用を失ってしまうことになる。下に、理性的な報道の一例を貼っておく。ここまで知っても海洋放出反対ならば、それはそれで仕方がないのであるが。
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NML で音楽を聴く。■バッハの平均律クラヴィーア曲集第一巻 ~ BWV860 - BWV863 で、チェンバロはルカ・グリエルミ(NMLCD)。■ベートーヴェン弦楽四重奏曲第七番 op.59-1 で、演奏はクァルテット・エクセルシオNMLCD)。このところクァルテット・エクセルシオベートーヴェンを続けて聴いているのだが、どれもすばらしい。室内楽のファンは少ないのでこのカルテットはたぶんあまり知られていないが、日本に世界レヴェルのカルテットが存在することがもっと知られるとよいのにと思う。