末近浩太『中東政治入門』

晴。

母診察。道路は一部凍結している。外気は-1℃だった。

昼寝。


末近浩太『中東政治入門』読了。300ページを超え、税抜きで1000円の新書本であり、中身もかなりハードだ。「地域研究」と「社会科学」(政治学)の双方に目配りすることを意図した書物ということで、一般人が気楽に読むのはたいへんだと思う。あるいは、入門書にしては理論的記述が多いとでもいうか。で、わたしのような平凡な素人が読むと、中東政治がわかるというよりは、むしろ余計にわからなくなってしまった印象もある。そもそも、簡単な要約を許さないため、ここに書くことができない。この本、誰がターゲットなのだろうという感じ。意欲的な学生というところなのだろうか。それとも頭のよいビジネスマンか。

中東政治入門 (ちくま新書)

中東政治入門 (ちくま新書)

 
飯山陽『イスラム2.0』を読み始める。第三章まで読んだ。わたしはツイッター上の著者があまり好きになれないのだが、これは論理的な本だ。示されているデータも、嘘があるとは思えない。「イスラム2.0」とは著者の作った概念で、インターネットの登場で一般のイスラム教徒が原理主義化しており、西洋由来のリベラル的な考え方と相容れなくなってきているここ十年ほどの傾向を指す。そして、イスラム教に、というかコーランにある異教徒への不寛容さ、つまり異教徒を殺戮せよというジハードの教えが前景化しているという。確かにコーラン原理主義的に解釈すれば、非イスラム教徒との間には対話は成立しない。そしてその傾向は、これからますます強くなっていくであろう、と。まあそのあたりはわたしにはわからないが、インターネットの登場が重要なのはわかった。原理主義的不寛容か。よく考えてみると、それが強まっているのは、イスラム教徒に限らないかも知れないが。対話が成り立たないということ。原理主義ってのはむしろラクなんだよね。根拠なく生きるというのは、ひどくむずかしい。