こともなし

晴。涼しい。
上司に、「なぜ君らは結婚しないんだね」といわれる夢を見る。わたしはつい、「そんなんじゃありませんよ、ねえ」といってしまう。誰だよ、上司って。相手の方は、これまで何回かわたしの夢に出てきた、実際には会ったこともない人である。夢が何を考えているのか、わたしにはさっぱりわからない。ただ、さみしく過ごしているのは、まあそうだ。わたしはもちろん、何もしない。
昨晩は石川淳を読んで寝た。

NML で音楽を聴く。■バッハのフランス組曲第三番 BWV814 で、ハープはクリスティアーナ・パッセリーニ(NMLCD)。■ラモーの新しいクラブサン曲集 組曲 ト長調-短調で、ピアノはヨージェフ・バログ(NML)。これはよかった。ノンレガートのピアノが、却ってラモーのメランコリーを浮き彫りにしている。このピアニスト、例えばスカルラッティなども合うのではないか。

French Collection

French Collection

  • アーティスト:Boulez / Balog
  • 発売日: 2020/09/11
  • メディア: CD
 
今日はさわやかな日和だ。アゲハチョウが紫苑からオミナエシへ飛んでゆく。わたしは、ウチに来る蝶の中では、アゲハチョウがいちばん好きなようだ。かつての中国では蝶は人のたましいであるという考えかたがあったそうであるが、わかる気がする。

昼食はソーセージと玉ねぎの炒めもの、残り物のカボチャ、インスタントみそ汁。

ごろごろぼーっとする。

最高気温が30℃くらいで、湿度も低く、じつに気持ちがよい。珈琲工房ひぐち北一色店。しばらくして女子高生がふたり入ってきたのがめずらしい。背伸びしてここに入ったものだろうか。それはよいことであるな。
ドリアン助川線量計奥の細道』の続き。あと少しというところまで読んだ。つぎつぎとある、人との出会いがなんともよい。著者はほんとにマトモな人だからな。人格が出ているのだと思う。
帰りに肉屋。

夕飯にカレーを作った。

ツイッターを見ていると日本人のヘイトの人たちが大坂なおみ選手の優勝や BLM にめっちゃムカついているのがわかるのだが、わたしには謎すぎて自分の時代遅れぶりをまたしても痛感せざるを得ない。日本人のヘイトと BLM? いったいどういうロジックでそうなるのか。ついでに自分のクズぶりを公開しておくと、わたしは BLM にそこまでの思い入れはない。想像力の欠如というべきであろう。わたしがテレビなどで BLM についての報道を見ていていちばん思うのは、差別を糾弾するという誰が考えても正しいことが、余計に差別を悪化させてしまうという事実だ。つまり、これは合理性だけでは解決できない、途轍もない難問なのである。っていつも書いていることで、年寄りは同じことばかり言うのですが。

しかし思うのだが、ネット上には考え得るありとあらゆる「意見」を見つけることができますね。という意見だっていくらでもあるだろう。ありとあらゆる意見が乱反射し合って、すべてがホワイトノイズ化していく。それでも自分の「意見」を言わねばならぬと理性は主張するけれど、わたしはちょっとだけ主張して、あとは昼寝をする。クズですね。

まあ、たかが140字程度で要約できる「意見」ですから。リツイートなら一文字も書かなくてすむしな。単純で、お手軽なもので、誰でもできる。しかし、そのたかが140字程度、あるいはリツイートに込められた感情のややこしさといったら。ほんと、感情を伴わないメッセージはないですよ、スローガン的に言うと。まさにここに現出しているのが仏教のいう地獄なのである。地獄はじつに現世にこそある。

ついでなので書いておくと、ツイッターでいちばん恐ろしい機能はリツイートだとわたしは思う。この機能を実装したツイッター社の人は、自分がいかに恐ろしいことをしてしまったか、心底後悔しているそうだ。それほどの破壊力があるがゆえに、もはやリツイート機能が revert されることはない。わたしは、このリツイートはてブはどこか似ているところがあるような気がする。ちなみに、わたしは今日ツイッターリツイートをしました。