山崎ナオコーラ『かわいい夫』

曇。

起きて長時間ぼーっとする。

そういや土曜日から蝉が鳴き出したのだった。いまもジワジワいっている。

スーパー。

少し青空がのぞく。
昼から図書館。『鶴見俊輔伝』、柴崎友香みすず書房高橋悠治など。検索してみたが、武満さんの著作はなかった。
3Fで、近所の古墳からの出土品を見る。六世紀のもの。きれいな勾玉がいくらか、あとは土器や馬具など。このあたりの、そこそこの有力者だったのだろうな。この辺は古代から人が住んでいたところで、わたしなどもその名もない民衆の末裔ということなのだろうなと思う。まさにネイティブだ。


図書館から借りてきた、山崎ナオコーラ『かわいい夫』読了。エッセイ集。著者のことは知っていたが、あまり読んだ覚えはない。話題になった、『人のセックスを笑うな』は、たぶん読んだが、中身はまったく覚えていない。先日、ネットで著者が、著者はブスであり、他人からそれを言われることに物申しているのは読んだ。著者の顔写真も掲載されていて、確かにブスだった。その記事は自分には意外にインパクトがあったようで、本書が図書館の新着コーナーにたまたまあったので、それで借りてきたのだと思う。
 さて、本書はまさに夫が「かわいい」という話である。いや、こんな風に書くとどう思われるか知らないが、わたしは本書が幸福すぎて、かなしいような気分になってきた。著者は独身時代も幸福だったが、いまも幸福だと書いておられる。わたしは本書の幸福がいとおしすぎて、これがいつまでも続いてもらいたいものだと思う。著者は初子は流産していて、しかし本書文庫あとがきによればいまは二人目(というのか三人目というのか)の出産準備中で、子育ての真っ最中のようだ。夫との関係は子供がいない頃とは変わったようで、まあしかしそれも幸福なようでよかった。作家というのはささやかなふつうの幸福が書けるとは限らないように思うが、これはなかなかのものなのではないか。本書はまともな本だと思うのだが、こういうまともなことをいう人が、好かれるとは限らないかも知れないけれど。わたしは、確かもう一冊もっていた、著者の小説をそのうち読もうと思っている。

かわいい夫 (河出文庫)

かわいい夫 (河出文庫)

いまふと思ったが、わたしはもちろん上から目線でこう書いているわけじゃありませんよ。幸せな本って、ほんとにないんです。

それにしても、本書にもあるのだが(引用する)、「ブスは隅っこで生きろ」とか「ブスなのに何故作家になったのか」とか、そんなふうに中傷する(もっとひどいことも言われた・書かれたらしい)人が少なからずいるのか。何なんだ。もっともわたしだって、ある女性が「美人だ」とか「ブスだ」とか思ってしまうことははっきりとあるが。でも、はっきり言ってそれとこれとはちがうと思う。


日没前、散歩。ひさしぶりに歩いたら、世界が異様に美しかった。写真には写りませんが。





カラスたち。







何故かツバメが道路上で休んでいた。



今日は結構涼しくて、歩きやすかった。