振替休日。早朝、激しい雷雨。
西田「私と汝」を読み終える。到底しっかりと理解したとはいえないが、インパクトの大きな論文だった。自己は世界の自己限定によって自己なのであり、また自己は世界全体でその外部はないのであるが、それだけだと世界に自己以外を考えていないことになる。世界における自己以外の自己を「汝」として、自己と「汝」の関係を探ったのがこの論文であると理解した。いや、まったくの誤読であるかも知れないし、そもそもわたしが世界をそこまで深く認識しきれていないので、西田の言っていることの当否はわたしには判断できない。でも、すごくおもしろかったことは確かだ。続けて読む。
「アガペに基礎付けられない文化は遊戯に過ぎない。」(西田)ここにおける「遊戯」は貶下的用法である。
西田の文章には繰り返しが多いし、書くことが書くことを呼んで、すっきりとした論文でないことは林達夫の指摘するとおりである。これは、「見えている未知のもの」をああでもない、こうでもないと無理に表現しようとすることからこうなるのだ。こういうところのない文章家は結局はつまらないのではないか。
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昼過ぎから、再び雨。
NML で音楽を聴く。■バッハのイギリス組曲第五番 BWV810 で、チェンバロはパオロ・ザンズ(NML、MP3 DL)。■ジルフィウス・レオポルト・ヴァイス(1687-1750)のリュート・ソナタ第五十番 ~ 序奏、リュート・ソナタ第二十七番 ~ 前奏曲、ファンタジア第一番 ハ短調で、リュートは今村泰典(NML)。今村って人は、ここでバッハのリュート曲を弾いていた人か。あれは印象に残っている。
Silvius Leopold Weiss: Lute Sonatas Vol. 1
- アーティスト:Yasunori Imamura
- 発売日: 2011/02/17
- メディア: CD
- アーティスト:Bach, J.S. / Goode
- 発売日: 2020/04/03
- メディア: CD
夕方、雨上がる。曇り空の下、散歩。少しだけ歩くつもりが、一時間ほどになった。
ウチのスイートピー。
アヤメ、ショウブ、カキツバタと似たような花の植物がいろいろあるが、これはイチハツ(一初)というらしい。
細い路地を入っていったら、初めて出会った公園(のようなもの)。
初めて歩く路地から。
朴(ホオ)の花らしい。
なんじゃもんじゃ(ヒトツバタゴ)。
歩いていると、ツバメの飛翔、ホバリングしながら囀るヒバリにあちらこちらで出会う。細い水路まではまだ水が入らないが、これが進んでいくと隅々まで血液が通(かよ)っていくようになって、気持ちがよい。