鈴木大拙『禅問答と悟り』

昧爽起床。

NML で音楽を聴く。■バッハの平均律クラヴィーア曲集第一巻 ~ BWV860-863 で、ピアノはアレクサンドラ・パパステファノウ(NMLCD)。■ソフィア・グバイドゥーリナ(1931-)の「Jetzt immer Schnee」で、ナレーターはLeonid Stasov、オランダ室内合唱団、シェーンベルク・アンサンブル、指揮はレインベルト・デ・レーウ(NML)。

Gubaidulina: Jetz Immer Schnee

Gubaidulina: Jetz Immer Schnee

ブリテンの「二つの昆虫の小品」で、オーボエハインツ・ホリガーNMLCD)。

曇。今日は晴れるって予報なのだけれど。
洗濯、風呂掃除。

モーツァルトオーボエ四重奏曲 K.370 で、オーボエハインツ・ホリガー、他(NMLCD)。

よく晴れてきた。
昼まで甥っ子の勉強を見る。昼食は甥っ子と老父と三人で、珈琲工房ひぐち北一色店。甥っ子を名鉄岐阜駅まで送って帰宅。

ドラッグストアに寄ったあと、面会。少しづつは回復しているようだけれども、依然なかなかにつらい感じ。まだだいぶしんどそうだ。

夕方、県図書館。ひとりで運転していて、いろいろ考えてしまった。母の以前の入院のときもだったのだけれど、父がなかなかに使えねーんだよなあ。まあ、自分の分担はやってくれるのだけれども、そうでないことは全然気が回らない。家事をしたことのない男性ってのはこういうものなのか、しかし、ねえ。ある種の女性の気持ちがちょっとわかってしまうね。ってわたしも少々疲れているのかも知れないな。修行が足りぬ。

夕食前、老母から電話があって、ドラッグストアで買い物をして届ける。
夕食は常夜鍋。僕が出かけてるあいだ、老父にだいぶ用意をしてもらった。で、いろいろ命令して手伝ってもらいました。まあ今日くらい、そうしてもバチは当たらんでしょう。食事はおいしかったです。というか、だし昆布を二枚も入れてしまったので、かなり美味かった。やりすぎだけれどね(笑)。

コマネズミみたいに、今日は一日くるくると廻っていたな。疲れた。

図書館から借りてきた、鈴木大拙『禅問答と悟り』読了。「仏」とか「悟り」とか、言うだけで口が穢れるしろものだから、大拙ほどの捌きの達人でないとなかなかである。大拙は禅は仏教ではあるが中国で発した、インド的なものではないということをしきりと強調するが、これは現在だと、禅が「本来の仏教」から離れた、既に釈迦牟尼の教えとは変質したものであるといって、ネガティブに捉えられることが多い。「仏教学者」でもそうであるし、もはや(日本の)「仏教徒」ですらそうであるかも知れない。もちろん禅の立場からするとそうではないわけで、釈迦牟尼の核心をみずから体験するのが禅ということになるわけで、それも中国風になのである。いや、核心の表現が中国風というか。けれどもまた大拙のいうように、それは既に中国にはほとんど残っていないし、日本にも(いまですら)禅寺はたくさんあるが、やはり中国よりはマシというほどしか、既に大拙の頃ですらなかった。わたしのごときは、いまでは臨済宗に寥寥としか残っているのを知らないが、それはわたしが何も知らないからであるかもしれない。大拙は、禅を世界へ持ち出したわけだが、たぶん、西洋にもっとも影響を与えた日本人になった。それが大拙であって、よかったとわたしは確信している。とクズのわたしがいうのであるが、さて「禅問答」について本で読む人はいまでも相当に多い。ネットを見ても、いくらでも目にするくらいである。で、公案がわかるとかわからんとか、いや、オレは「ただ座る」のだ、道元禅師に私淑(あるいは「公淑」)するのだという輩とか、掃いて捨てるほど存在する。まあ、それは好きにすればいいので、それで「禅問答」だが、これがわからないのは、それが中国の発想だからということもある。さても、それはいまでも中国には残っているのか、なんだかわたしは知らないが、日本の禅というのはそれを取り入れて、あるいはさらに一部日本化した。(これでもっと釈迦の仏教から遠くなったという人も多いだろう。)いや、わたしはよくわからないのだけれどね、とにかく、それを世界にまで持ち出した大拙と、そのやり方はすごいですよ。って日本人のバカにする大拙は、わたしは本当にえらかったと思っている。でも、ここまでやっても、世界に開放した「禅」を、誰かホントに「経験」してみた人間は出たのだろうか。大拙の蒔いた種は、発芽したのか。いやいや、わたしはそんなに悲観的でない。むしろ、日本ではもうあと少しの〇〇だから、大拙が世界に蒔いた種しか残らないのかも知れない。中国の事情を見ていると、それはあり得るように思える。

鈴木大拙禅選集〈2〉禅問答と悟り

鈴木大拙禅選集〈2〉禅問答と悟り

  • 作者:鈴木 大拙
  • 出版社/メーカー: 春秋社
  • 発売日: 2001/02
  • メディア: 単行本
いっておくが、わたしはテキトーに言っている。信用するだけバカを見るですよ。

大拙は、砂糖の甘さを知るには幾ら言葉で語ってもダメだ、自分で舐めてみるしかないと言っているね。