こともなし

曇。

NML で音楽を聴く。■リゲティ弦楽四重奏曲第一番「夜の変容」で、演奏はアルディッティ弦楽四重奏団NML)。この曲は完全に現代の古典になったな。

Ligeti:String Quartet No.1

Ligeti:String Quartet No.1

グルジェフ / ハルトマンの「Hymne」、「Sainte Affirmation」、「Récit de la résurrection du Christ」、「Prière de désespoir」で、ピアノはアラン・クレムスキ(NML)。グルジェフは十九世紀から二十世紀にかけての神秘家(あるいは神秘思想家)で、その音楽はハルトマンという音楽家との共作(グルジェフが主導的ということ)であるらしい。その存在は以前から知っていたが、グレゴリオ聖歌のような古拙なものかなと何となく思っていたら、(ここまで聴いただけでは)シンプルではあるがどちらかといえば甘い音楽で、予想とはちがった(クラシック音楽というよりは、むしろポピュラー音楽なのかも知れない)。音楽的に新しいところがあるとはまったく思わないが、聴く価値がまったくないとも思わないので、確実に広大なところがある。有名人のたんなる手すさびの無価値な音楽(例えばニーチェ)とはちがう。
Gurdjieff;Sacred Hymns

Gurdjieff;Sacred Hymns

録音としてはキース・ジャレットのものが有名であるようだ。■シェーンベルクの「五つの管弦楽曲」 op.16 で、指揮はハンス・ロスバウト、バーデン=バーデン南西ドイツ放送交響楽団NML)。
Schoenberg: 5 Orchestral Works, Ode on Napoleon Buonaparte, Pierrot lunaire

Schoenberg: 5 Orchestral Works, Ode on Napoleon Buonaparte, Pierrot lunaire

昼寝。

ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第二十一番 op.53 で、ピアノはスティーヴン・コヴァセヴィチ(NMLCD)。こんなすごい「ワルトシュタイン」の終楽章は初めて聴いた。コヴァセヴィチの息が続くかハラハラした。まさにこれぞベートーヴェンという全力演奏。

車検終了との連絡があったので、代車を返して車を引き取ってくる。車検は随分とお金がかかりますなあ。


池内紀さんが亡くなった。わたしはそれほど池内さんを読んでいないのだが、外国文学がますます我々から遠くなっていくという感じを受ける。あの、何でも池内節にしてしまう、独特の翻訳だった。たぶん、自分の文章に自信がおありだったのだと思う。実際、リーダブルなよい文章だった。そして、はっきりいって偏屈者だったな。息子さんによると、やはりというべきか、テレビもないしネットも見ないという人だったらしい。わたしもせいぜい、偏屈者たることを学び続けたいと思う。

イサク・ディネセンを読む。