ユルゲン・ハーバーマス『デモクラシーか 資本主義か』

晴。

大乗起信論』を読み下しで読み返してみたら全然わからなかった。さすがにもう少し読めるようになりたいなあ。

ユルゲン・ハーバーマス『デモクラシーか 資本主義か』読了。副題「危機のなかのヨーロッパ」。世界が緊密に結び合っている現在でも、我々には EU は遠い。そして、ハーバーマス(あるいはヨーロッパの知識人)にとってもアジアは遠いし、極東はさらに遠い。ハーバーマスにとっては、中国や日本は外部における一種の抽象的な「脅威」以上のものではなく、本書に「日本」の文字は極少にしか存在しない。ま、EU に始まり EU に終わる本である。
 ハーバーマスは「民主主義」に常に依拠する(あるいは依拠しようとする)が、ではその担い手である「市民」とはいったい何ものなのか。そんなことをいうとわたしの無知を曝け出す以上のものではないが、例えばわたしは「市民」なのだろうか。わたしは時々多少のお勉強をするが、わたしごときに何もかも正確に判断することは不可能である。というか、ハーバーマスそれ自体、わたしごときにはあまりにも難解なのだ。いったい「市民」はどこまで知り、どこまで判断しないといけないのか。凡人であるわたしは、そりゃムリなんじゃないかと思う。まあそれでも、わたしは少しづつお勉強はするかも知れないが、さてそれで何だというのか。

本書には「ポピュリズム」という単語も頻出するな。何となく「民衆はバカだ」みたいなニュアンスを感じるのだが、さて「ポピュリズム」に関する新書本のモノグラフでも読んでみるかしらん。

NML で音楽を聴く。■バッハのフランス組曲第五番 BWV816 で、ピアノはシェン・ユエン(NMLMP3 DL)。■ショスタコーヴィチ弦楽四重奏曲第二番 op.68 で、演奏はフィッツウィリアム弦楽四重奏団NMLCD)。■シューベルトの「無限なものに」 D291、「星」 D939、「音楽に寄せて」 D547、「憂い」 D772、「白鳥の歌」 D957 ~ 第二曲「兵士の予感」、「小人」 D771、「さすらい人」 D489 で、バリトンはディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ、ピアノはジェラルド・ムーアNML)。

シューベルト:歌曲集第2集

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ドビュッシーの「二つのアラベスク」、「ベルガマスク組曲」で、ピアノは野平一郎(NML)。野平一郎は日本の誇るべき天才ピアニストだとわたしは思うのだが、まちがっていますかね?
野平一郎 プレイズ ドビュッシー作品集

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