中尾茂夫『日本が外資に喰われる』

晴。

Ruby で適度な難易度のプログラミングがしたいのだけれど、題材がなかなかないね。そんななので先日テトリスを作ってみたのだけれど、一日で終ってしまった。AOJ なんかもよいのだが、問題がむずかしくなってきて自分の実力ではちょっとしんどくなってきた。それこそ流行りの機械学習でもやってみようかと思わないでもないけれど、いまやそればっかりだしね。

NML で音楽を聴く。■スカルラッティソナタ K.204b, K.367, K.248, K.131, K.338, K.285 で、ピアノはエイラム・ケシェト(NML)。

D. Scarlatti: Complete Keyboard Sonatas, Vol. 22

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  • 発売日: 2019/05/10
  • メディア: MP3 ダウンロード
 
SKETCH SHOW の「audio sponge」を聴く。
「GOKIGEN IKAGA 1・2・3」とか、思わず笑っちゃうな。僕は高橋さんはよくわからないのだけれど、細野さんスゲーつー感じ。閉じていないな。
audio sponge

audio sponge

アマゾンのレヴューたちは、大きいものを小さい人たちが聴くとああなるみたいなものだな。別に好きに書いたらよいのだけれど。

ま、わたしも大したことはない。このところそれをつくづく感じる。

昼からカルコス。講談社学術文庫二冊、新書一冊を買う。

ミスタードーナツ イオンモール各務原ショップ。ポン・デ・ダブル宇治抹茶ブレンドコーヒー421円。連休中にイオンモールというのは無謀かと思われたが、試しに行ってみた。やはりすごい人混み。しかしじつのところをいうと、わたしは人混みはあまり苦にならない性格のようだ。学生のときも、わざわざ四条の繁華街へ出たり大阪の地下街を歩くのが好きだった。どんなにうるさくても本が読めるし。そういや中沢さんも、どこでも本が読めると書いておられたっけ。まあしかし、今日は狭苦しい席しかなかったけれどね。
 イギリスの作曲家、デイヴィッド・マシューズという人の書いた『ベンジャミン・ブリテン』という本を読む。なかなか興味深い本。著者は若い頃、晩年のブリテンの手伝いをしていたようで、ブリテンのことはよくわかっているらしくそれがよい結果をもたらしていると思う。作曲家だから、ブリテンの音楽の評価も、まあ自分には本当はわからないことだがとりあえずは正確であるように思われるし。しかし、何でもブリテンすごいみたいな本ではなく、そこらあたりも却って信頼できる感じだ。まだ三分の一くらいしか読んでいないが、ブリテンの少し度を超えたほどの潔癖さ、ナイーブさと、無垢が失われることへの虞が印象的である。まさに、ブリテンの音楽そのものだ。ブリテンの同性愛も、じつに当然であるように思えるくらいである。いかにも、女性の性がきたならしく感じられるような人だったのだな。大人になっても、子供への回帰を願っていたようなところがある。それは、彼の天才と不可分だったのだろう。

ベンジャミン・ブリテン

ベンジャミン・ブリテン

 
日没前、散歩。
20190502180326
 
バッハ👉子だくさん。モーツァルト👉平凡な楽しい夫。ベートーヴェン👉人妻と不倫。シューベルト👉悪所通いで梅毒に感染。シューマン👉天才少女のアタックに陥落。
まあこれがふつう(?)ですよね。これでよいのだ。

中尾茂夫『日本が外資に喰われる』読了。先に断っておくが、わたしは経済に関しドシロウトである。以下はドシロウトの妄言にすぎない。ということで言うが、本書は残念な本というしかない。本書がリフレ政策に批判的であるのはまあよいとしよう。ホントはよくなくて、本書ではリフレ政策を鎧袖一触、理由もあまりなくばっさり切り捨てているだけで、それだけでも疑念は抱かせられる。そもそも、著者にとって本書執筆時(2018年)が、リフレ政策によって好景気であったという事実認識がまるでない。でもまあ、とにかくそれはよいことにしよう。わたしもまた、リフレ政策は正しいけれども、すべてそれでは覆えないとあきたりない思いをしており、バブル崩壊時に「日本が外資に喰われた」、そしてそれはいまでも続いているという事実に興味を抱いているからである。だから、題名に惹かれて本書を購入一読したわけだ。自分が知りたかったのは、外資が日本を食い物にしている、正確な事実である。残念ながら、本書には膨大な記述がありながら、役に立たない情報が多すぎる。著者は、お前らバカで知らんだろうといわんばかりに、レバレッジ空売り(笑)の手法を教えて下さるが、勘弁して頂きたい。著者は日本人は「投資」を知らないといって「投資」くらいやれよとバカにするが、まあ事実そうなのかも知れないが、それで「ハゲタカファンド」を非難するのはちょっとよくわからない。そもそも、(世界を知らない日本人という)著者の立場からすれば世界でやられていることを日本人がふつうにやった「村上ファンド」やホリエモンはヒーローでないと辻褄が合わない気がするが、どうもそうではないようである*1
 まあそれもよい。さて、著者の論旨は突き詰めると日本人=無知なバカで、会社に忠誠を誓ったりするマヌケであり、そうしているのは徳川時代以来の封建制が解体されずに残っているからとされる。あるいは、日本人は情報に無知で、(悪賢い)欧米人に出し抜かれているとされる。ここで「悪賢い」を括弧でくくったのは著者がそう書いていないからだが、どうも著者の主張には日本人は悪賢くないからいけないみたいな含蓄があるような気がする。それは措いても、日本人はあれもダメ、これもダメで、封建制が抜ければマシになるんじゃね?みたいな。いや、それがまちがっているのかもバカなわたしにはわからなくて、何かそんなものなんだろうか。ただ、著者はいろいろいうが、論旨に対し説得力充分な議論とデータを示しているとはわたしには思えない。本書には大量のデータは出てくるのだが、論理的な議論が不足していて、かなり感情的な論旨の展開が見られる。「そう思うのは自分だけだろうか」の連発は、レトリックにすぎず、学問的議論ではない。
 わたしが知りたいのは、「日本を外資の食い物にさせているのは日本人自身であるが、それはどうしてそういう構造になっているか」であるが、著者の議論はドシロウトのわたしを説得しなかった。わたしには、とても封建制の残滓のせいとは思えないのである。自分は本当に、日本人がどうしてそんなことをしているのか、まったく理解できないのである。本書のデータでいえば、わたしの好きだったソニーの資本の半分以上が既に外資ないし外国人投資家のものになっているわけだが、そして本書にないデータでいえばダイエーは完全な黒字経営のもとで外資に献上させられてしまったのであるが、前者はまあ日本が(あるいはソニーが)没落したせいであるけれども、後者は正確な経緯がわかりにくい。わたしが知りたいのは、その後者なのだ。さて、ドシロウトの妄言はこれくらいにしておこうかな。下らんですね、わたしというやつは。本なんか読まない方がマシじゃないかな。

日本が外資に喰われる (ちくま新書)

日本が外資に喰われる (ちくま新書)

これはわたしの頭が悪くてごめんなさいだが、本書はダラダラとデータがこれでもかと垂れ流されていて、議論が不足しており、わたしにはきわめてわかりにくい。(誰々がこう言ったみたいな文章はきわめて多いのだが。)なので本書をきっちり読むにはノート等を作るしかないが、申し訳ないけれども本書はそこまでするほどの魅力をわたしにはもたない。ホントごめんなさい。

本書もところどころでかすってはいるが、わたしは「闇」はいわゆる「不良債権処理」にあったと思っている、というか見当がついている。小泉政権時の「不良債権処理」には、明らかに国民に対するゴマカシがあった。わたしが詳しく知りたいのはじつはそこであり、それは本書に期待したが存在しなかったものでもある。

なお、アマゾンの recluse 氏のレヴューはわたしの読後感にかなり重なるところがある。いま見てそう思った。わたしの感想より明らかに優れているというべきだろう。

上記の本の著者は「陰謀論」がお好きなようで、予想される批判にあらかじめ釘をさしているが、わたしも負けずに、それとは関係のない(いや、少しはあるかも知れない)どうでもよい「陰謀論」でもちょっと語ってみようかな。それは、例の日産のゴーン会長逮捕についてである。これは「陰謀論」といっても初級クラスだが、東京地検特捜部のやっていることはいわゆる「国策捜査」であり、ゴーン氏が事実として「有罪」かどうかとあまり関係がないものである。特捜部は既にゴーン氏は「有罪」であると「決めている」のであり、「事実」には関わりなくそれが既定路線である。これは、日産という企業を丸ごと頂戴したいフランス政府(ルノーは国有企業である)と、特捜部(あるいは日本政府)との戦いであるわけだ。このこと自体は「陰謀論」でも何でもなく、フランス側はそのことをまったく隠しておらず、ゴーン氏はそのために既に不要になったので、見捨てられたのは誰でも知っているし、新しいルノーのトップは実際にルノーへの日産の吸収合併をしらっと提案してきているのも誰でも知っていることであろう。ゴーン氏の妻が一旦海外へ逃亡しながら日本へ帰ってきたのは、フランス政府に捨てられたことがはっきりしたからで、それもまた誰でも知っていることである。わたしがよくわからないのは、特捜部の意図がどこまで到達しているかということだ。特捜部にはかつての青年将校たちのようなところがなくもないので、日本の現状を憂えてのことなのだろうか。これが、相手がアメリカだったら? たぶん、特捜部は手も足も出なかったろうし、それが小泉政権下で行われたことであろう。ちなみに、わたしは日産に思い入れがまったくないが、マクロン大統領その人がこれを主導しているのは醜いと思うし、どうも人種差別の匂いがしてそれはあまり愉快でないのも事実である。しかし、これが相手がアメリカだったら?というのは自分にも向けられた問いなのかなとは思っている。

なお、東京地検特捜部と日本政府が一枚岩の関係にないことは確かで、これで特捜部と経済産業省が連携でもしているのかとなると、それはもう完全に「陰謀論」の世界である。それはわたしなどにはまったくわからない。まあそうであっても驚かないというくらいのものであるが。

ホントつまらぬことを書いた。やーねー、知ったかぶりって。

*1:言っておくが、わたしは「ハゲタカファンド」は人間のクズだと思っているし、時代遅れの人間(=わたくし)として「村上ファンド」にもホリエモンにも特に興味はない。ホリエモン若い人たちに尊敬されているようで、へえとは思う。わたしはいまさら小林秀雄とか吉本隆明とか中沢新一とか言っているどうでもいい人である。