こともなし

日曜日。曇。

ぼーっとしたり。昼からしばらく寝る。

夕方、珈琲工房ひぐち北一色店。おいしいコーヒーで目が覚めたかのよう。プーシキンの『大尉の娘』の新訳を読む。場面が急速に転換するところまで読んだが、おもしろいじゃないか。エンタメよりもおもしろいですね。これも目が覚めたかのようである。『大尉の娘』はたぶん初めて読むのだな。古典新訳文庫えらい。よくつぶれずに続いているよ。


NML で音楽を聴く。■バッハのヴァイオリン・ソナタ第六番 BWV1019 で、ヴァイオリンはルノー・カピュソン、ピアノはダヴィド・フレイNMLCD)。■ブリテン弦楽四重奏曲第一番 op.25 で、演奏はドーリック弦楽四重奏団NML)。自分はブリテンがよくわかるわけではないが、これはすばらしい演奏なのではあるまいか。かかるすぐれた演奏で聴くと、ブリテンが如何に自分好みの作曲家であるかということが思われる。ブリテンというと二十世紀の作曲家の中では保守的な音楽を書いたと見做されるが、ピンと一本スジが通っていて、決して浅はかな音楽家ではない。この曲も、緊張感をもった清潔な音楽であり、強く惹かれるものを感じる。

String Fantasias in Four

String Fantasias in Four

ドーリック弦楽四重奏団というのは検索してみると興味深い録音が少なくない印象だ。NML でもだいぶ聴けるようなので、ちょっと触手が伸びそうである。シャンドス・レーベルに主に録音している。

ボロディン弦楽四重奏曲第一番イ長調で、演奏はボロディン四重奏団(NML)。新メンバーによる新録音かなと思ったら、よく知られたかつての演奏の、レーベルを替えた再発売であった。僕はふつうに最近のカルテットを聴くのだが、これを聴くとつくづく本物はかくあるのだなあと思わずにはいない。いまの時代、「本物」などといったら何も読めないし何も聴けないが、やはりちがいは歴然としている。あんまり「本物」に接するとつらいくらいだが。何にせよ、感動させられた。

Streichquartette 1 & 2

Streichquartette 1 & 2

■ルクーのピアノ三重奏曲ハ短調で、ピアノはジョアン・パウロ・サントス、ヴァイオリンはブルノ・モンテイロ、チェロはミゲル・ロッチャ(NMLCD)。■黛敏郎交響詩「輪廻(さむさーら)」で、指揮は福村芳一、香港フィルハーモニー管弦楽団NMLCD)。