淡路島・徳島家族旅行(第一日)

老母もだいぶ元気になり、いつまで家族で遊べるかわからないしということで、いつもながら小旅行してきました。今回もわたくしの運転で、岐阜から淡路島・徳島まで行こうというものであります。車ではこれまでいちばんの遠出になります。

少し寒くはあるがまずはすばらしい天気。朝八時頃に自宅を出発。いつものごとく東海北陸自動車道の岐阜・各務原IC から名神高速道路を西へひた走る。一時間に一度くらいの休憩ということで、多賀SA(滋賀県)、吹田SA(大阪府)に寄りつつ、名神終点の西宮IC(兵庫県)まで。そこから阪神高速3号神戸線は多少渋滞していた。第二神明道路を経由して神戸淡路鳴門自動車道の「明石海峡大橋」を渡る。片側三車線もあるすばらしい橋で、運転する自分はさすがにチラリとしか見えなかったが、天気もよくて渡っている明石海峡のブルーの景色がすばらしかった。これはバス等でもよいけれど、是非自家用車で渡ってみて下さい。

淡路島へ渡って最初の SA である淡路SA に、ほぼ十二時ちょうどに着く。240km を四時間というところ。ここで昼食を食べたのだが、ちょうどお昼どきだったので大変な混雑だった。まあテキトーに、玉ねぎのたくさん入ったラーメンを食べたりした。玉ねぎは淡路島の特産品なのである。展望台からは海峡や対岸がよく見えてよい眺望だった。上の写真はそこで撮ったもの。

 のんびりしていたら結構時間をとって、途中伊弉諾神宮なども予定していたのだが、結局一気に淡路島のもう一方の端まで高速でいってしまうことにする。淡路島はやはり大きな島で、高速を使っても端から端までは一時間近くかかるのだ。淡路島南IC で下りて、いろいろ道がわかりにくかったのだが、なんとか福良の「淡路人形座」へ。建物は上の写真である。これは何かというと、人形浄瑠璃のさわりを見せてくれる常設の「小屋」なのである。我々は生の人形浄瑠璃は初めてだったのだが、高々 45分くらいのものだったのだけれど、わたしにはとてもすばらしかった(語彙が貧困ですね)。そもそも、生の三味線を聴くの自体初めてで、じつに生々しいものでした。人形もそのままだと何でもないのに、黒子の人たちが操るとほとんど生きている以上で、これも感銘が大きかった。演目は「戎舞(えびすまい)」と「伊達娘恋緋鹿子 火の見櫓の段」で、前者はえびす様がお酒を召して酔っぱらいながら願いを叶えて下さるというシンプルでめでたいもの、後者は有名ないわゆる「八百屋お七」のバリエーションのひとつで、そのクライマックスの部分のみを上演するというもの。まあ、これ以上は書きませんが、私達に大阪かどこかで人形浄瑠璃を通して見てみたいものだと思わせるに充分でした。たぶん、今回の旅行の白眉だったと思います。

まだ時間があったので、多少道に迷いながら「南あわじ市滝川記念美術館 玉青館」へ。ここは現代の南画家の直原玉青の個人美術館で、玉青の作品の他、今回は「松帆銅鐸」の本物がたまたま展示してあって、老父母は関連番組をテレビで観ていたらしく、感激していました。青玉の一種の十牛図である「禅の牧牛 うしかひ草」もまた、わたしがテキトーな解説をするととてもおもしろがっていたので、よかったですね。どこで何に出くわすかわからぬものである。

宿はいろいろの理由で、その青玉館にわりと近い「サンセットビューホテル けひの海」。食事もサービスも我々には充分で、なかなかよろしかったです。一日目の走行距離は 315.2km でした。