こともなし

晴。
睡眠の後始末が大変。

NML で音楽を聴く。■ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第二番 op.2-2 で、ピアノは園田高弘NMLCD)。どちらかといえば地味な曲だと思うが、じつによい。僕は結局、園田の音が好きなのかなと思う。園田は巨大な射程をもっているし、安定したオーソドックスな解釈、技術も充分で、チャーミングなのに何故聴かれないかと考えると、この音の魅力がよくわかられてないからかなと思われる。■スクリャービンのピアノ・ソナタ第九番「黒ミサ」 op.68 で、ピアノは野平一郎(NML)。野平一郎もすばらしいピアニストだ。園田高弘よりはそのすごさがわかりやすいかと思うが、日本人というだけであまり聴かれていないのか。天才という語はほとんど何も意味しないが、天才的なところのあるピアニストだと思う。すばらしいスクリャービン

野平一郎 展覧会の絵 ロシア作品愛奏曲選

野平一郎 展覧会の絵 ロシア作品愛奏曲選

 
シューマンの「クライスレリアーナ」 op.16 で、ピアノはレイニス・ザリンシュ(NML)。初めて聴くピアニストである。まずはこの難曲を通して聴かせるだけで、それなりの力があることがわかる。特にシューマンの「フロレスタン」的な側面が、迫力をもって見事に弾かれている。それに比べて、「オイゼビウス」的な側面は、蒸留水のように癖がなく、多少もの足りないといえばもの足りない。癖がないというのは全体的にそうで、いかにも現代におけるシューマンという感じだ。しかし、基本的な表現力はあるように思える。カリスマ的ではないが、実力者タイプとでもいうべきか。ラトビアのピアニストで、現在33歳ということである。
Kreisleriana: Zarins(P) +andris Dzenitis: Octagon

Kreisleriana: Zarins(P) +andris Dzenitis: Octagon

■アンドリス・ドゼニティス(1978-)の「オクタゴン」で、ピアノはレイニス・ザリンシュ(NML)。僕より若い作曲家だ。これは建築なんかではよくあるコンセプトだな。たとえマッシヴな音塊でも、あくまでもオシャレで清潔という。どことなく白っぽい感じ。不協和音があったりポピュラー音楽のようなメロディがあったり、ペルトっぽかったり、何でもありだ。おもしろいといえばおもしろい。ザリンシュというピアニストはもう少し聴いてみてもいい。NML にまだいくつかある。


曇。時雨れたりする。
ミスタードーナツ イオンモール各務原ショップ。ポン・デ・ヨロイヅカ キャラメルショコラ+ブレンドコーヒー453円。青柳いづみこさんの『MERDE! 日記』を読む。ホームページに載せた日記をセレクトした本らしい。いや、この人は文章がうまいなあ。自分はリーダブルというのは必ずしもポジティブな意味で使わないのだが、青柳さんの文章はリーダブルでも読み応えがある。音楽の話ばかりではなくて日常のことや旅行記もあったりするが、おもしろくてどんどん読めてしまう。この人はかなりハードな文章も書かれるのだが、どれも読みやすいのは才能であるな。それに青柳さんは結構ネガティブなことも書かれるのだが、それは正直ということで、しかも絶対に悪口ではない。気に入らぬこともうまくさらりと、しかしごまかさずに書いてしまわれるのでさらにおもしろい。それに、自分も音楽は好きだが、青柳さんに比べたらもちろんまるで聴けていないのだけれど、あんまり自分の至らなさが気にならないな。これは何なのだろうね。よくわからないのだが、とにかくよい。つい面倒でいけないのだが、青柳さんの CD も買って聴かないといけないなあ。

ハイドンのピアノ・ソナタ第十一番 Hob.XVI:2 で、ピアノはジョン・マッケイブNML)。第二楽章が印象的。

ハイドン:ピアノ・ソナタ全集

ハイドン:ピアノ・ソナタ全集