大晦日に小澤征爾の「第九」

晴。

NML で音楽を聴く。■バッハの前奏曲とフーガ BWV901、三声のリチェルカーレで、オルガンはクリスティーナ・ガルシア・バネガス(NMLMP3)。■トーマス・ラルヒャーの「ポエムズ」で、ピアノはタマラ・ステファノヴィッチ(NMLCD)。ラルヒャーよいよ。

昼から正月用の食材の買い出し。老母はこれからおせち作りである。
老父と柳ケ瀬まで年越しそばを買いに。ここも毎年買うところ。

ベートーヴェン交響曲第九番 op.125 で、指揮は小澤征爾、東京オペラ・シンガーズ、サイトウ・キネン・オーケストラNML)。通俗的に年末に「第九」もよいと思って聴いてみたが、さすがに小澤征爾、最後はひどく感動して胸が熱くなってしまった。小澤征爾の作り出す音楽はあいかわらず美しくも楽しくもなく、ただただクソマジメなだけであるが、わたしはその小澤のクソマジメが好きである。この曲はやはり終楽章が問題で、前の三楽章に音楽としては劣るのでいつも長く感じてつらいが、小澤征爾の指揮だとどうしてベートーヴェンが最後をこんな風にしたのか、その気持ちが伝わってくるような気がした。クラシック音楽を聴き始めた頃の感動がよみがえってきたかのようである。年末に「第九」、悪くなかったです。

ベートーヴェン:交響曲第9番<合唱>

ベートーヴェン:交響曲第9番<合唱>

 

ブラームスの二つのラプソディ op.79 で、ピアノはパスカル・ロジェNML)。パスカル・ロジェは好きなピアニストで、最初はドビュッシーのすばらしい録音で刮目したのであるが、これを聴くとドイツものにも一家言あるのだなとわかる。実力者だ。

 
夜は家族で年越しそばに、イワシ丸干し。おいしかった。今年も家族みんなで年末を迎えられたことに感謝する。少し「紅白」を見て退散。
しかし、ネットを見ていると急速に心が冷えていく。いや、君たちは何も悪くないのだ。
 
ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲 op.61 で、ヴァイオリンはユーディ・メニューイン、指揮はヴィルヘルム・フルトヴェングラーフィルハーモニア管弦楽団NML)。普段はフルトヴェングラーなど聴く気が起きないのであるが、こういう時ならまあよいであろう。それに加えてソリストが若い頃のメニューインなのだから、よいに決まっている。というか、たぶん自分がこれまで聴いたこの曲の最高の演奏かも知れない。二人とも天才だからな。でも、つまらぬ話でもある。まあよい、よいに決まっているものを聴いてよかった、悪いことではない。時にはよいのだ、こういうのも。なお、フィルハーモニア管との録音で、音質はとてもよい。

MENUHIN CENTURY:HISTORIC

MENUHIN CENTURY:HISTORIC

■バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第二番 BWV1003 で、ヴァイオリンはユーディ・メニューインNML)。

さても皆さん、よいお年を。と、なに読んで寝るかな。