枝廣淳子『地元経済を創りなおす』 / ジョルジュ・バタイユ『呪われた部分』

曇。

枝廣淳子『地元経済を創りなおす』読了。「バケツの穴をふさぐ」か。なるほどね。いずれにせよ、自由に経済活動をさせておけば上手くいく(いわゆる「神の見えざる手」)というのとは正反対なわけだ。我々の経済的な考え方を変えていかねばならないと。やはりそれは必要なことなのであろうか。いや、当り前な気もするな。

 
ドラクエのダンジョンでの BGM が頭の中で鳴っている(笑)。
 

バッハのヴァイオリン協奏曲第一番 BWV1041 +アンコールで、ヴァイオリンはユリア・フィッシャー、指揮はクリスチャン・ヤルヴィ。ヴァイオリンはもう少し思い切りがよいともっとよくなるのではないか。指揮者のクリスチャンは同じく指揮者であるパーヴォ・ヤルヴィの弟なのだな。
 

ニコライ・カレートニコフのピアノ五重奏曲(1990)。知らない作曲家である。この曲は無調、おそらく十二音技法で書かれているのであろう(聴いただけでは残念ながら自分にはよくわからない)。無調音楽としてはそれほどラディカルな感じはせず、聴きにくいということはない。志の高い曲ではあり、一聴の価値はあるだろう。

UNHCR(国連難民高等弁務官事務所*1から緊急支援のお願いが届く。イエメンの緊急支援とのこと。支援できないことはないけれど、さすがに無職なので、毎月の支援以外はなかなかむずかしい。申し訳ないけれど、できる範囲でだと思っている。時間に余裕のあるひとは、国連UNHCR協会のウェブサイトくらいは見てやって下さい。具体的に支援しなくても、事実を知るだけでも大切なことだと思っている。無視がいちばんいけないのだ。

通院治療。いい天気。

ATM で書籍代を振り込み。
図書館。

夕食後に寝てしまい、日付の替わる頃に起きる。


ジョルジュ・バタイユ『呪われた部分』読了。

呪われた部分 (ちくま学芸文庫)

呪われた部分 (ちくま学芸文庫)

 

明田川融を読む。日本に多くの米軍基地があって日本がどうしようもない(例えば米軍基地は日本にあって事実上「治外法権」の位置にある。それどころかその権限は、米軍基地以外の日本国内のかなりの部分に通用する)のは、日本が自発的にお願いして米軍にいてもらっているという構造になっているからである。この構造が変わらないかぎり日本がアメリカに対して主権を回復することはないが、実際この構造が変わることはよほどのことがないかぎりあり得まい。自分はこのことに関しては既に半分諦めている。日本人の多くは、日本がアメリカに対して主権をもっていないということを意識すらしていまいが。そして、日本の政治家と官僚のアメリカへの拝跪ぶりは既に無意識レヴェルに到達している。日本人の多くもそうであるといえるであろう。そうでなければ、沖縄に対する「本土人」の蔑視ぶりは説明がつかない。驚くべきことである。

しかし、自分はこのところ、日本および日本人への興味が少しづつなくなっていっているのを感じる。まさしく、「日本」に住む非国民といえるだろう。おおっぴらにそのことをいえば「どうしてお前は日本から出て行かないのか」となるから、結局自分もまた矛盾しているし、愚かであることは紛れもない。いずれにせよ様々な事情から自分はこれからも「日本」に住むしかあるまい。仕方のないことである。つまるところ、自分はどうしたいのだろう。(AM03:05)

まったく国家というのは面倒くさいものであるな。決して我々を放っておいてくれない。

それにしても、米軍問題が日本国内で「ペッキング」の構造を作り出しているというのは興味深い。再帰的に序列の弱いものを「つついて」いって、最終的に最弱の部分に問題が押し付けられるというわけだ。これにより、日本人の多くは破廉恥な事実に目を向けずに済んでいるということになる。ひどい話である。

吉田茂はえらい政治家だったのかも知れないが、自分はどうしても好きになれない。結局、吉田こそがアメリカ拝跪の総元締めである。吉田には、日本の「主権」などという発想がまるでなかった。なるほど、敗戦国を handle していくのは容易なことではなかっただろうが、彼における「理念」の欠如は、現在に対して支配的かつ決定的な影響を及ぼしたと思う。「憲法問題」ひとつをとっても、吉田には何のビジョンもなく、日々を処理していく「対応」の問題にすぎなかった。俗な言い方をすれば、彼には「哲学」がなかった。それはいまの日本の政治家とまったく同じである。「場当たり的対応」、まさしくこれである。

考えてみたら、ペッキングというのはまさに差別といじめの構造そのものではないか。よく子供のいじめの問題が語られるが、日本人のほとんどが加担している、沖縄に対する差別といじめはとてもその比ではない。笑わせる話だ。(AM03:47)

*1:正確には国連UNHCR協会ですが。UNHCRの公式の窓口です。