晴。
ベートーヴェンの交響曲第一番 op.21 で、指揮はロリン・マゼール、フィルハーモニア管弦楽団。マゼールは楽譜のすべてを暗譜してから振るという緻密な仕事をする指揮者で、ここでもじつに綿密な音楽作りをしている。ちょっとコントロール感が強すぎて息苦しい感じだったのだが、いや終楽章はすばらしかった。氷が融けてきたような感じで、こちらもつい足でビートを取っていることに気づく。生命力が息づいたときのマゼールはちょっと無敵だなとか思う。Wikipedia(マゼールの項はいやに充実している)を見てみると、マゼールは2014年に既に亡くなっているのだな。知らなかった。
ベートーヴェンの交響曲第九番 op.125 で、指揮は小澤征爾、サイトウ・キネン・オーケストラ。こういう演奏を聴くというのは自分の人生の主要目的のひとつである。めったにない体験でした。小澤征爾については、自分がまったくわかっていなかったことがわかった。どうしてわからなかったかというと単純なことで、わかるほどの器の大きさがこちらに欠けていたのである。ああ、小澤征爾ってのは大指揮者なのだなと初めて得心がいきました。それにしてもしんどくて、聴きながら命を削っているかのような心地がしたが、小澤も命を削って演奏しているかのように感じられたくらい。まあそれはどうかわかりませんが。小澤征爾+サイトウ・キネン・オーケストラはできれば他のも聴きたいな。
早寝。