土屋惠一郎&中沢新一『知の橋懸り』/若松英輔『霊性の哲学』

曇。
寝過ぎ。試験に致命的に遅れる夢や頭が悪くなる夢を見る。よくわかる、さもあらん。睡眠の後始末がまた大変。
土屋惠一郎&中沢新一『知の橋懸り』読了。副題「能と教育をめぐって」。対談集。土屋惠一郎は一応ホッブズ研究者で、読んだことはある。すごく変な(笑)研究書で、めっちゃおもしろかったのを覚えている。というか、ブログのどこかに書いてあるはずだ(参照)。で、もう辞められたそうだが能のプロデューサーで、「橋の会」というすごいことを24年間やっておられたらしい。いまでは明治大学の学長なんだそうである。おもしろいなあ。中沢さんと対談するにはぴったりではないか。本書についての感想は書かない。自分のことだけ書くと、僕は自分のセンスの悪さにつくづくウンザリしている。結局、自分はセミオティックに対する感受性がにぶいのだ。本当にどうしようもなくつまらん俗衆であるが、まあ腐らずに修行していきたいと思う。

知の橋懸り―能と教育をめぐって (La science sauvage de poche)

知の橋懸り―能と教育をめぐって (La science sauvage de poche)

自分はふだんは殆ど死んでいるのだが、こういう本を読むときだけ生き返るような気がする。ゾンビちゃん。しかし、この効果は五分しか続かない。


ミニトマトの初物。
図書館から借りてきた、若松英輔霊性の哲学』読了。この人は本当に真面目でえらいのだが、くだらないところがないのだけは惜しい。いまの時代に「くだらない」というのはじつに重要だと自分は思っている。まあしかし、魂の高みだけを経巡っている人はまことに少ないから、こういう人がいるのはすばらしいことなのだが。ないものねだりをしてはいけないのだろう。
霊性の哲学 (角川選書)

霊性の哲学 (角川選書)

僕はパンクロックはまったく知らないが、現代こそパンクが必要な時代であることは心底知っている。時代劇の好きなパンクロッカーとか、まったくすばらしいではないか。ねえ。
しかし、真面目な人はこんなブログなぞを読むヒマがあったら、若松英輔を読んでみるといいと思う。マジですよ。
若松英輔というのは滑稽ということがまるでない人である。そこがじつに惜しい。蓮實重彦は「吉本隆明は滑稽である」と宣ったが、まあ蓮實さんはバカにして言っているのだけれど、それでも吉本さんが滑稽に思われておかしくないというのはさすがだ。中沢さんも多くの人にバカにされている。ここなのだ。自分もまた心底から滑稽さを滲ませることができるよう、つとめて修行したいと思っている。

TK from 凛として時雨を聴く。
たまたまこのアルバムが手に入ったので聴いてみた。まだ凛として時雨自体は聴いたことがなくて、こちらを先に聴いてしまったわけだが、若い人たちのやっている音楽の中では稀な才能に驚いた。これはどういうジャンルなのかよく知らないが(笑)、かなりハードエッジだと思うけれど、音が乾いていてカッコいい。一種の(いい意味での)軽さを感じる。それに、ノイズもよくて、ちょっと感動すら覚えるね。いや、やはり才能ってのは出てくるものだな。凛として時雨自体も是非聴いてみようと思っている。
white noise(初回生産限定盤B)(DVD付)

white noise(初回生産限定盤B)(DVD付)

ただこれ、ボーカルはなんかむにゃむにゃ言っていて、何を言っているのかさっぱりわからないのはどうなんだろう。ちょっと声が甘ったれているしな。それを除けばなかなかいい。