三角形の面積の求め方(まとめ)

△ABC の面積 S を求める。いうまでもなく (底辺)×(高さ)÷2 なわけで、これが基本。
(1)基本に近い場合として、二辺の長さとその挟む角がわかっている場合がある。例えば AB, AC, ∠BAC がわかっている場合、
  
となる。このとき、AB が底辺、ACsin∠BAC が高さになるわけだ。
(2)三辺の長さがわかっている場合、まず「ヘロンの公式」がある。三辺の長さをそれぞれ a, b, c とし、l = (a + b + c) / 2 とおくと、面積 S は
  
と求められる。これは高校数学などではあまり有用でない。たいていの問題は三角形の角度などと絡めてあるので、この公式を使ってしまうとそれらとリンクしないからだ。
(3)三辺の長さがわかっている場合として、このようなやり方もある。上の(1)を応用するのだ。AB = a, AC =b はわかっているので、あとは BC = c も使って sin∠BAC を出せばよい。そのためには、余弦定理を使って cos∠BAC を
  
のように求める。すると
  
として sin∠BAC が出るので、上の(1)を使って S が求められる。たいていの場合は、ヘロンの公式よりもこちらの方が有用である。
(4)二辺のベクトルがわかっている場合。例えば がわかっているとする。これは(3)を使う。
  
   
   
という具合。
(5)三角形は一辺とその両端の角が与えられても定まるので、この場合を考えてみよう。BC = l, ∠ABC = θ, ∠ACB = φ が与えられたとする。すぐにわかるのは、これらを使って AB = m が表せれば、(1)を使って面積 S が求められるということだ。さらに AC = n と置くと、
  
また正弦定理より
  
だから、これらから n を消去して
  
と m を表すことができた。あとは(1)より
  
と求められた。なお、高校数学(大学入試)でこの「一辺とその両端の角」が与えられた場合の面積を求める問題に、自分は出会ったことがない。